2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15201023
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 昌和 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20343147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳明 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教 (60345105)
|
Keywords | シリコン / ゲルマニウム / ナノドット / 超格子 / ルミネッセンス / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
我々は、Si基板表面の第1層が酸化した極薄Si酸化膜を形成し、その表面にSiやGeを真空蒸着すると、大きさが5nm程度で、面密度が10^<12>cm^<-2>以上のSiやGeの単結晶ナノドットが成長することを見出した。本研究においては、このナノドット成長技術を基礎にして、Si、Geのナノドット超格子や人工構造を作成する技術、直接遷移型の半導体である鉄シリサイドのナノドット超格子を作成する技術、及びナノドット超格子の光・電子物性を評価する技術の開発を行っている。本研究計画に基づいて、今年度は、Geナノドット超格子からのエレクトロルミネッセンス(EL)の測定と、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いたSTMカソードルミネッセンス(STM-CL)と、STMエレクトロルミネッセンス(STM-EL)の開発を継続した。 昨年度は、Si薄膜中に超高密度のGeナノドットを埋め込んだ超格子を作製し、光通信帯の光エネルギー領域(〜0.8eV)において、大きな強度のフォトルミネッセンス(PL)の測定に成功した。本年度は、この超格子の両端に電極を形成し、5V程度の電圧を印加して電流を流すことにより、PLと同様に光通信帯の光エネルギー領域(〜0.8eV)において、大きな強度のELの測定に成功した。初期においては、ルミネッセンス測定時の試料温度が、100Kを超えると急激にEL強度が減少したが、現在は、試料構造の工夫などにより、室温において大きな強度のPLおよびELの測定が可能となった。 昨年度は、STM探針から100eV程度の運動エネルギーを持つ電界放射電子線を、数100nAの電流で試料表面の10nm領域に照射して発生するルミネッセンスを測定するSTM-CLの開発を行った。本年度は、STM-CLをGaAs(110)へき開面に適用することにより、測定位置に依存してCLスペクトルの形状が変化することが見出された。これは、Siドーパント濃度の空間分布により発生していることが分かった。また、STM-ELを行うために、光ファイバーを内蔵したSTMスキャナーを取り付けた。本スキャナーにより、原子分解能を持つSTM像が取得できることを確認し、STM-ELを個々のナノドットの光特性評価に適用する準備が完了した。
|
Research Products
(8 results)