2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン共鳴型水晶発振子の開発と複雑系生体分子間相互作用の定量化
Project/Area Number |
15201025
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡畑 恵雄 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (80038017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 剛美 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60334504)
古澤 宏幸 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60345395)
森 俊明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (50262308)
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Keywords | 水晶発振子 / 表面プラズモン共鳴 / インピーダンスアナライザー / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究の目的は、水晶発振子の金電極上に回折格子を付加することにより、水晶振動現象と表面プラズモン共鳴現象の同時観察することのできるセンサー・デバイスを作製し、構造変化の伴う複雑系の生体分子間相互作用を定量的に解析することにある。今年度の研究により以下のような成果を得た。 1.水晶発振子にネットワーク・アナライザーをつなぎ、物質が結合したことによる振動数変化を等価回路のパラメーターとして抵抗値(R)、インダクタンス(L),キャパシタンス(C)の3つの変数として測定する事が出来た。インダクタンス(L)は物質の結合量を表し、表面プラズモン共鳴の屈折率変化と対応するので、差し引いた抵抗値(R)は結合した物質の柔らかさを反映し、振動数変化と屈折率変化を同時に測定することにより、結合した物質の重さと柔らかさが同時に測定出来た。 2.具体的には、ガン抑制因子として働くタンパク質p53は、C末端側の4量体形成ドメイン領域が通常ランダム・コイル構造をしているが、細胞が外界から有害な刺激を受けたときにp53の働きを活性化するためC末端側のアミノ酸がリン酸化をうけ、構造変化して4量体形成ドメインを形成する。これにより、DNA結合能を獲得して転写制御因子として働くことが知られている。こうした一連のイベントを試験管内で再現し、i)タンパク質の構造変化、ii)タンパク質-タンパク質間相互作用、iii)タンパク質-DNA複合体形成を経時的に観察し、タンパク質の構造変化がDNAへの結合能や転写活性にどのような効果があるかがあるかを定量化することに成功した。
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Research Products
(5 results)