2003 Fiscal Year Annual Research Report
表面磁気第二高調波発生法による磁性ナノ薄膜・ナノワイヤの表面化学的磁化制御の検討
Project/Area Number |
15201029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
横山 利彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (20200917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 剛志 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80353431)
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Keywords | 磁性薄膜 / 磁気的第二高調波発生法 / X線磁気円二色性 / 磁気光学Kerr効果 / 垂直磁化 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
磁性金属薄膜・ワイヤ・クラスターはそれ自身の物性に大変興味がもたれているが、本研究ではこれらの金属表面に原子分子を吸着させるなどしてその磁性体の磁気的性質を劇的に変化・制御することを目的としている。本年度本課題では、基板上に作成したナノ磁性試料の表面および界面の磁性評価を行う目的で、磁気的第二高調波発生法(magnetic second harmonics generation, MSHG)を導入した。SHGは反転中心のある薄膜バルク内部では禁制であり、薄膜の表面と界面の磁性を調べるのに非常に有効な手法である。本科研費ではその主設備としてチタンサファイアレーザーを購入し、光学素子等をそろえた。薄膜作成評価用の超高真空槽は現有の表面磁気光学Kerr効果測定装置をそのまま利用し、なるべく容易に2つの測定手法を切り替えられるよう配慮した。現在MSHG測定系の立上げ中である。 一方、別の現有真空槽を利用して、分子研UVSORを用いたX線磁気円二色性測定が可能となるように、本科研費で小さな備品や消耗品類をそろえ、立上げ性能評価を行った。こちらはすぐに実験可能となり、Co/Cu(001),Ni/Cu(001)表面へのNO吸着による磁気特性の変化、Ni/Cu(001)へのCuキャッピングによる磁気特性の変化などを検討し、十分満足のいくS/N比のデータを得ることができた。NO吸着に関しては、NOが面内磁気異方性を不安定化し、面直磁気異方性にはさほど影響を与えず、全体として垂直磁化を安定させる性質があることがわかった。一方、Cuキャッピングの効果もNOと同様に垂直磁化を安定化し、過去に垂直磁化を安定化するのか不安定化するのか相反する推論がなされていたことに対して結論を出すことができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Yokoyama, D.Matsumura, K.Amemiya, S.Kitagawa, N.Suzuki, T.Ohta: "Spin reorientation transitions of ultrathin Co/Pd(111) films induced by chemisorption : x-ray magnetic circular dichroism study"J.Phys.Condens.Matter. 15. S537-S546 (2003)
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[Publications] K.Amemiya, S.Kitagawa, D.Matsumura, T.Yokoyama, T.Ohta: "Development of a depth-resolved x-ray magnetic circular dichroism : application to Fe/Cu(100) ultrathin films"J.Phys.Condens.Matter. 15. S561-S572 (2003)
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[Publications] K.Okamoto, K.Kohdate, K.Nagai, J.Miyawaki, H.Kondoh, T.Yokoyama, A.Nojima, T.Ohta: "Development of light-modulated XAFS spectroscopy"J.Synchrotron Radiat.. 10. 242-247 (2003)
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[Publications] T.Yokoyama, K.Takahashi, O.Sato: "Metastable photoinduced phase of Cu(II) ethylenediamine complexes studied by x-ray-absorption fine-structure spectroscopy"Phys.Rev.B. 67. 172104 (2003)