2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノホールによる量子ドット多重トンネル接合形成とスピントロニクス応用
Project/Area Number |
15201034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新宮原 正三 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10231367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 修一 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40294277)
坂上 弘之 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (50221263)
高萩 隆行 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40271069)
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Keywords | ポーラスアルミナ / 強磁性体 / 量子ドット / トンネリング / 単一電子効果 |
Research Abstract |
実験的アプローチでは、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成し、その上部に陽極酸化アルミナナノホール自己組織配列を形成した。陽極酸化電圧を10V以下に下げた場合、著しいナノホール直径及び間隔の微細化が起き、平均間隔20nmが5Vで達成されることを確認した。このような極微細ナノホールへのコバルトの電解めっき埋め込みを行い、平均直径15nmのコバルト柱配列形成に成功した。 また、平均間隔90nmでの高規則化ナノホールにおいて、シリコン基板上への直接成長にて、底部バリア膜の完全除去と側壁バリア膜の残存の両立が可能であることを見出した。これにより、シリコン基板上へのナノホール内部へのヘテロエピタキシャル成長ナノワイヤ配列形成への道が開かれた。また、シリコン基板上のナノホール配列の900℃熱処理後での安定性が確認でき、高安定なトンネルバリア膜形成が可能であることがわかった。 理論面からは、ナノ構造でのトンネル伝導特性の解析に供するものとして、いくつかの考察を行った。第1は1次元的と考えてよい中央電極(アイランド)を持つ二重トンネル接合でのクーロン・ブロッケイドを記述する理論である。これは、電極すべてが1次元的と考えてよい状況へ容易に拡張可能であるが、非常に細いナノホール系でのトンネル伝導の基礎検討に対応する。この研究は、伝統ある国際会議であるEP2DS-15(岩渕はこの組織委員の一人)で発表されるとともに、論文として第一報が現在in-pressの状態であり、その後の検討が進行中である。第2はクーロン・ブロッケイドの理論的枠組みとして、いわゆるC-SET理論の完成であり、これは現在accepted状態にある。さらに、第3として、強磁性2重トンネル接合でのクーロン・ブロッケイドの記述に必須の高次のトンネル効果の考慮を経路積分法で行う理論の定式化に成功した。これは、現在細部を詰め、来年度の論文発表等に向け種々検討段階に来ている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shoso Shingubara, et al.: "Aspect Ratio Dependence of Magnetic Hysteresis Property of High Density Co Wire Array Buried In Porous Alumina Template"J.Magnetics and Magnetic Materials. (accepted for publication). (2004)
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[Publications] Shoso Shingubara: "Formation of Nanomaterials by Porous Alumina Template"J.of Nanoparticle Research. 5. 17-30 (2003)
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[Publications] Shoso Shingubara, et al.: "Control of Self-Organization Conditions of Porous Alumina Film Using a Mixture of Oxalic Acid and Sulfuric Acid"Electrochemical and Solid-state Letters. 7. E15-E17 (2004)
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[Publications] Shoso Shingubara, et al.: "Formation of Aluminum Nanodot Array by Combination of Nano-indentation and Anodic Oxidation of Aluminum"Surface Science. 532-535. 317-323 (2003)
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[Publications] Guang Ri Wu, Shoso Shingubara, et al.: "Thickness Dependence of Hysteresis Property of Ferromagnetic Do"Jpn.J.Appl Phys. 42. 5038-5039 (2003)
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[Publications] Chika Tanaka, Fujio Wakaya, Shuichi Iwabuchi: "Theory on the Coulomb Blockade and Current-Voltage Characteristics in Tomonaga-Luttinger Liquid C-SET"Physica E : Low-dimensional Systems and Nanostructures. (in press). (2004)
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[Publications] Shuichi Iwabuchi et al.: "Effect of Gate-Induced Charge on the Coulomb Blockade in Ultrasmall Double Tunnel Junctions"Phys.Rev.B. (accepted). (2004)