2005 Fiscal Year Annual Research Report
構造システムから住空間までを含む建築物総合地震安全性の常時監視ウェブネットの構築
Project/Area Number |
15201035
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 成幸 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50125291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 祐二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 名誉教授 (70241362)
城 攻 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (00002014)
平井 卓郎 北海道大学, 大学院農学研究科, 教授 (20173205)
名和 豊春 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30292056)
後藤 康明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90170472)
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Keywords | 構造物耐震安全性 / 室内空間安全性 / 人的被害 / 耐震診断 / 診断システム / 情報化 / ウェブネット / 地震防災 |
Research Abstract |
本研究は、建物および生活空間の場における地震からの安全性を監視するシステム構築の可能性を検討するもので、3年間の研究期間を充てており、本年度が最終年度に当たる。3年間の研究の取り纏めを含め、以下の4項目について研究を進めた。 1.建物の構造的安全性の診断手法について: 建物倒壊による人命損失の危険性を診断するものとして、木造・鉄筋コンクリート構造・組積造・混構造それぞれについて、耐震性能の考え方を整理し経年劣化および被震時における構造物劣化・損傷度の評価指標、並びにそれらの計測方法について検討を行った。主たる成果としては、木造については微動記録から求められる固有周期と振動をカオス的挙動とみなしその動きの複雑性を量的に扱うことにより現状の劣化度と被震時における損傷度推定が可能となった。鉄筋コンクリートについては、電磁波レーダーによる塩分量の経時的変化を捉えその劣化状態を推定することが可能となった。また、超音波速度の測定によりひび割れ状態を推定し、被震時における建物の損傷度評価に繋げることが出来る。 2.建物室内における空間的安全性の診断手法について: 家具転倒に伴う負傷危険性を診断するものとして、被震時の室内散乱状態をシミュレーションするプログラムソフトを実現した。 3.診断結果の情報化: 建物の構造安全性および室内空間の散乱状況を人的危険度情報に変換するための関数系(建物診断票点(倒壊ポテンシャル)を平均的損傷度関数により損傷度推定値に変換し、さらに確率関数により居住者の死の確率表現に変換。室内家具損傷度関数により空間の状態関数を求め、居住者の負傷状態をInjury Severity Scoreにより数値化)を構築した。 4.ウェブネットによる情報の集中監視システムの考察: 各戸に配置した診断センサーからの計測情報を防災センターに集約し、診断結果を居住者に分かり易い情報としてフィードバックするシステムを、ウェブネットを基幹とする情報インフラを利用して運用するシステムを提案した。
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Research Products
(6 results)