2005 Fiscal Year Annual Research Report
複合現実感交通実験スペースの構築によるサステイナブルITSの研究
Project/Area Number |
15201036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 雅夫 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (50183322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池内 克史 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (30282601)
須田 義大 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (80183052)
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Keywords | ITS / 渋滞 / ヒューマンファクター / 交通シミュレーション / ドライビングシミュレータ / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究は、現実の交通空間とバーチャル空間を複合した「複合現実感交通実験スペース」を構築し、そこで観測・解析されるヒューマン・ファクター特性(利用者の交通選択行動、運転挙動、情報レスポンスなど)に基づいて、サステイナブルなITSの設計・評価を行ったものである。 本研究は、3層構造を持ち、第1層が「複合現実感交通実験スペース」、第2層が「ヒューマンファクターに関する基礎研究」、第3層が「ITS応用研究」である。第1層の「複合現実感交通実験スペース」は、仮想体験を実現する「仮想実験室」と、ITS機器により実交通を効率的に観測する「実観測実験室」の有機的な結合によって構成される。仮想実験室では、シミュレータと交通シミュレーションを組み合わせたシステムを開発し、これによってシミュレータ被験者と周辺の交通主体(車両、歩行者等)、およびインフラとの相互作用を考慮することができた。一方、「実観測実験室」は、現象を観測する実フィールドを含めた形で定義され、複数の異なるデータを収集・融合/処理・解析・蓄積して、実現象の理解に努める実験室である。これを「仮想実験室」と組み合わせることにより、観測された実交通の中に仮想空間を作り出して実験を行うことが可能となった。 第2層は、交通施策の評価に当たって一番のボトルネックとなっているヒューマンファクターに関する基礎研究を行うフェーズである。ITS機器を搭載した車両の運転挙動、交通情報に対する人間の反応・経路やトリップ時刻の選択行動などを、「複合現実感交通実験スペース」を利用して解析した。 第3層では、これらの成果に立脚した各種応用研究のフェーズであり、サステイナブルな交通社会を目指す各種ITSの設計・評価を行った。第3層における具体的な解析項目は次の通りである:(1)動的インフラ(路肩利用など)の提案、(2)路上駐車管理に関する研究、(3)ジレンマ信号制御に関する研究、(4)サグにおける渋滞発生メカニズムの研究、(5)実空間計測に関する研究。
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Research Products
(5 results)