2003 Fiscal Year Annual Research Report
メタボロミクスを基盤とした植物の統合ポストゲノム学
Project/Area Number |
15201045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00146705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (90171561)
野路 征昭 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80271534)
山崎 真巳 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (70222370)
有田 正規 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (10356389)
山口 健太郎 千葉大学, 分析センター, 助教授 (50159208)
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Keywords | メタボロミクス / メタボローム / トランスクリプトミクス / 機能ゲノミクス / シロイヌナズナ / アントシアニン / フラボノイド / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究では、植物のメタボロミクスとトランスクリプトミクスを統合した機能ゲノム科学的な研究を行った。フラボノイド生合成系の発現誘導に関わるMyb様転写因子をコードするPAP1遺伝子が過剰発現したシロイヌナズナのアントシアニン高蓄積変異株(pap1-D)について、メタボロミクスとトランスクリプトミクスを統合し、PAP1遺伝子制御下の代謝系間ネットワークを詳細に解析した。同時にシワイヌナズナにおけるアントシアニン蓄積に関与する新規遺伝子群の同定も検討した。シロイヌナズナの野生型株、pap1-D変異株およびPAP1遺伝子cDNA過剰発現形質転換体のロゼット葉を用いて、高速液体クロマトグラフィーフォトダイオードアレイ質量分析およびフーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析による代謝物の網羅的解析を行った。その結果pap1-D変異株およびPAP1過剰発現形質転換体において、cyanidin骨格を有する6種類のシアニジン誘導体が野生型株と比較して、50倍以上高蓄積していることが確認された。また、同じ植物体サンプルを用いてDNAマイクロアレイによって約23,000遺伝子のトランスクリプトーム解析を行った。その結果pap1-D変異株およびPAP1過剰発現形質転換体では、フラボノイド生合成の酵素遺伝子の他、特定の糖転移酵素遺伝子、アシル基転移酵素遺伝子やグルタチオン-S-トランスフェラーゼ遺伝子の発現量が増加していた。さらに、いくつかの転写因子や膜タンパクなどの発現誘導が見られた。これらの遺伝子の解析を行うことで、シロイヌナズナにおけるアントシアニン産生及び蓄積に関与する全遺伝子機能解明が可能であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuyo Yamazaki, Mariko Kitajima, Masanori Arita, et al.: "Biosynthesis of Camptothecin. InSilico and in Vivo Tracer Study from [1-^<13>C]Glucose"Plant Physiology. 134. 161-170 (2004)
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[Publications] Mami Yamazaki, Yukiko Makita, Karin Springob, Kazuki Saito: "Regulatory mechanisms for anthocyanin biosynthesis in chemotypes of Perilla Frutescens var. crispa"Biochemical Engineering Journal. 14. 191-197 (2003)