2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物園における日本産絶滅危惧植物種保全システムの確立
Project/Area Number |
15201050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
小西 達夫 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 園長 (70161958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊川 友久 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究官 (50280524)
岩科 司 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究官 (30151731)
松本 定 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究官 (80132695)
田中 法生 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (10311143)
國府方 吾朗 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (40300686)
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Keywords | 絶滅危惧種 / 植物化学成分 / 保全 / 繁殖 / ゲノム情報 / 種子 / 標本 / DNA |
Research Abstract |
初年度に当たり、(1)日本植物園協会に加盟するすべての機関に対し、絶滅危惧植物の保有状況の調査を実施し、調査結果とこれを踏まえた今後の絶滅危惧植物種保全の戦略について公表(印刷中)した。次に日本産の絶滅危惧植物種の実体を解明する研究を推進し、(2)レッドデータブックに記載されている植物のうち、オゼソウ、クマヤブソテツ、およびミヤビカンアオイ、トサノアオイ、ナンゴクアオイなど31種類のカンアオイ類のフラボノイド特性の評価を行った。その結果、オゼソウで2種類の新規のフラボノイドが検出されたほか、カンアオイ類にも他の植物群では報告のない新規のフラボノイドがすべての種に共通して存在することが判明した。(3)カテゴリーIAに属するコハクランについて絶滅危惧植物の実体を明ちかにし報告した。さらに(4)絶滅危惧種シマイワウチワ(沖縄県RDB危急種)の分子植物地理学的研究した。絶滅危惧種の繁殖システムについては(5)絶滅危惧IB類(EN)のクロガネシダ、野生絶滅のフイリリュウキュウイノモトソウ、無配生殖種ナガバミヤコヤブソテツの胞子の増殖に成功し、種子植物については(6)カザグルマの現地調査し、主に挿し木による増殖をはかり、自生地外保存を進め、(7)オオシロショウジョウバカマ(沖縄県RDB危急種)とその近縁種における染色体の比較と栄養器官からの人工増殖に成功した。一方、(8)絶滅危惧種の生育基盤土壌の調査研究ならびに(9)絶滅危惧水生植物ガジャモクの保全における障壁となっているインバモの実体を、葉緑体および核DNAの情報から明らかにすることができた。今後は、外見的な形態指標の探索を進める必要がある。よって、絶滅危惧種を多く含む海産顕花植物の文献資料を整理しデータベース化を進め、今年度は800件を整理した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwashina, T., H.Tobe: "C-glycosylflavonol 3-O-glycosides from Japonolirion osense"Phytochemistry. 64(印刷中). (2004)
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[Publications] Iwashina, T., J.Kitajima, T.Shiuchi, Y.Itou: "Chalcones and other flavonoids from Asarum sensu lato(Aristolochiaceae)."Biochem.Syst.Ecol.. 32(印刷中). (2004)
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[Publications] Iwashina, T., J.Kitajima, S.Matsumoto: "Flavonoids in species of Cyrtomium(Dryopteridaceae) and related genera."Biochem.Syst.Ecol.. 32(印刷中). (2004)
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[Publications] Yukawa, T., S.-W.Chung, Y.Luo, C.-I Peng, A.Momohara, H.Setoguchi: "Reappraisal of Kitigorchis(Orchidaceae)"Bot.Bull.Acad.Sin.. 44. 345-351 (2003)
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[Publications] 遊川知久: "日本の植物園における絶滅危倶植物の保有状況とこれからの取り組み"日本植物園協会誌. 38(印刷中). (2004)
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[Publications] Kokubugata, G., A.P.Vovides, K.Kondo: "Mapping 5S ribosomal DNA on somatic chromosomes of four species of Ceratozamia and Stangeria eriopus(Cycadales)"Botanical Journal of Linnean Society(London). (受理). (2004)