2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化する世界における原理主義的思想・運動の多角的研究
Project/Area Number |
15201055
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤田 進 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30014525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 光太朗 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (40143523)
林 佳世子 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30208615)
岩崎 稔 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10201948)
粟屋 利江 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (00201905)
左右田 直規 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (30345318)
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Keywords | ネクロポリティクス(死の政治学) / 原理主義 / 戦争 / 生命 / 帝国 / 反ユダヤ主義 / ブッシュ大統領 / 9.11 |
Research Abstract |
平成16年度は、本プロジェクトの中間年にあたり、昨年度の方向付けを土台にして、原理主義研究のより一層の深化をはかるため、基礎研究会、現地調査ならびにその成果としてシンポジウムを開催した。まず、7月14日に、一橋大の鵜飼哲氏を招いて、第一回研究会を開催した。そこでは、本年度科研の全体的な枠組みならびにその中心的テーマとなるアメリカの原理主義についての活発な討論が繰り広げられた。同時に本年度のシンポジウムについての議論もなされ、招請者を選定した。そこでの議論を元にして、国外調査を行った(8月金井光太朗アメリカ合衆国、9月粟屋利江インド)。11月12日には第二回研究会を開催し、2005年2月5日に開かれるシンポジウムの内容および最終的な報告者の決定がなされた。国外からはギル・アニジャール(アメリカ合衆国・コロンビア大)、アキーユ・ムベンベ(南アフリカ・ウイットウォータースランド大学)、国内からは森孝一(同志社大)を招請し、本学からは金井光太朗が報告することになった。「<帝国>のネクロポリティクス-原理主義・戦争・生命」というタイトルも決定され、国内ではじめて「ネクロポリティクス=死の政治学」という概念を紹介することになった。12月16日には第三回研究会を開き、シンポジウムに向けての最終的な内容確認がなされ、またそこでコメンテーターも決定された。鵜飼哲 2005年2月5日に開催された国際学術シンポジウム「帝国の"ネクロポリティクス死の政治学"-<原理主義>・戦争・生命」では、森孝一:ブッシュ大統領と「アメリカ原理主義」、金井光太朗:西半球秩序グローバル化としてのアメリカの世紀、ギル・アニジャール:デッドポリティクス 反ユダヤ主義とユダヤ教徒の生命について報告した。また直前になって参加できなくなったアキーユ・ムベンベ氏の代わりに、<ネクロポリティクス>の概念説明と本シンポジウムの意味について本学の岩崎稔が「<ネクロポリティクス>の概念が問いかけるもの-このシンポジウムのプラットホーム(のようなもの)のために」を報告した。コメンテーターは、鵜飼哲(一橋大)、渋谷望(千葉大)、舩田クラーセンさやか(本学)であった。司会は本学の岩崎稔および粟屋利江であった。今回のシンポジウムは直前に報告者が来日できなくなるというハプニングがあったが、数回にわたる研究会における議論および概念の構築がしっかりとなされていたため、非常に内容の濃いものとなった。そこでは、9.11以降のアメリカにおける原理主義および全世界を覆っているグローバリズムのなかで、国民国家による政治とは別の次元で人間の生死に関わる政治が行われていることが明らかにされ、聴衆を圧倒した。
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Research Products
(9 results)