2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル時代における「文明」間の衝突・融合・共存に関する総合的研究
Project/Area Number |
15201056
|
Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
園田 英弘 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50027562)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川勝 平太 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70097252)
猪木 武徳 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (00107111)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60179207)
劉 建輝 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (00321620)
池内 恵 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40390702)
|
Keywords | 東アジア文明圏 / 文明の交流 / 文明間の衝突 / 満州 / 軍事史 / パクス・ヤポニカ / グローバリゼーション / 経済的不平等 |
Research Abstract |
平成16年度の研究実績として、東北アジア文明圏の動態と構造に関わる三つのシンポジウムと、経済的不平等を論じる視座からグローバリゼーションを考えるシンポジウムを開催したことが挙げられる。まず東北アジア文明圏に関するシンポジウムとして、夏期には軽井沢で研究集会では、「新しい文明論の地平」、「環境と文明」、「パクス・ヤポニカの文明力」等の発表がなされた。ここでは、これまでの文明論の中軸を形成してきたといえるシュペングラーやトインビーらの視座を超克すべく、「文明の交流」という概念や、「不殺傷・共存共生・衡生(公正)」といった条件が論じられ、文明間衝突の回避についての議論がおこなわれた。 続いて、中国東北部の長春で、東アジアにおける文明の展開についてシンポジウムを開催した。特に、東アジアの歴史的転換ともいえる「満州」に焦点を絞り、軍事史だけでなく、社会や文化などの諸事情を取りあげ、その歴史的な意味について日中双方の立場から、文明論的に検討した。また、韓国ソウルでは「グローバル化と文明交流:日韓交流を中心に東アジア文明の可能性を探る」と題したシンポジウムを開催した。「東アジア経済文化圏の独自性」、「かな表記資料と近代韓国語の音韻史」など、学際的な見地から、日韓の歴史の検討と比較を通じて、東アジア文明の構造と史的変遷について議論がなされた。 また、「Globalization : Economic Inequality and Large-scale Confrontations」と題した国際シンポジウムを国際日本文化研究センターで開催し、英米だけでなくインドや中国から参加者を招き、経済学や政治学の見地からグローバリゼーションの展開についての議論がなされた。文明の形成プロセスと文明間の接触によって生じるinequalityの現状について、中国やインドの具体的な事例が報告された。グローバリゼーションの動向を方向づける構造についても議論が及び、来年度以降において継続的に報告会をおこなうことが提案された。
|
Research Products
(7 results)