2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15202002
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Research Institution | International College for Postgraduate Buddhist Studies |
Principal Investigator |
落合 俊典 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (10123431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 昭雄 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80022284)
梶浦 晋 京都大学, 人文科学研究所・附属漢字情報研究センター, 助手 (80293950)
赤尾 栄慶 京都国立博物館, 学芸課保存修理指導室, 室長 (20175764)
衣川 賢次 花園大学, 文学部, 教授 (20161523)
辛嶋 静志 創価大学, 国際仏教学高等研究所, 教授 (80221894)
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Keywords | 金剛寺 / 安世高 / 十二門経 / 安般守意経 / 一切経の画像デジタル化 / カラー画像データ / 平安写経 / 鎌倉写経 |
Research Abstract |
平成16年度に行われた当該研究の研究活動は、前年度に引き続き(1)金剛寺一切経の法量調査、(2)安世高訳『十二門経』・『安般守意経』の注釈的研究、(3)金剛寺一切経のデジタル化作業、(4)画像とテキストデータとのインターフェースの開発等を行った。ただ、金剛寺聖教の調査は、一切経の法量調査が大幅に遅延したために着手までに至らなかった。 (1)については、延べ日数20日の現地調査を行い約800巻の経巻の法量を測り調査カードを作成し、順次データ化した。また『大正蔵』との校勘も約350巻に及んだ。この校勘によって『安宅経』の新出本が発見された。これは以前に発見された金剛寺本『八陽経』と連関する文献であり、東アジア仏教の安宅八陽信仰の展開を考察する上で重要な資料となるものである。研究代表者落合俊典はロシア・モスクワで開催されたICANASで発表し、各国の研究者に成果を問うた。 (2)については、文献の8割方の読解が進み、完成が見えてきた。そこで前半部分の見直し作業も行い不統一の無いようつとめた。 (3)については、今年度新たに500巻の経巻をデジタル化し、合計1700巻に達した。 その容量は340ギガバイトである。PCのストレージなども増設したが、今後さらに増やさなければならないだろう。 (4)については、画像の中にある文字の切り出し方法の確立に目途がたち、テキストデータとのインターフェース開発に道筋がついた。しかし、全巻撮影時には1テラバイト(1000ギガバイト)を越える画像容量に達する。その処理は前人未踏の領域であり、より簡略なプログラムの開発が求められる。 以上の調査ならびに研究によって一段と当該研究の進展が見られ、平安・鎌倉時代の書写である金剛寺一切経の内、1700巻がデジタル画像として見られるに至った。今後デジタル撮影に鋭意努力し、日本仏教文化の精華を一望できるようにしたいと考えている。
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Research Products
(23 results)