2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15202006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 純 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70107522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 嘉彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50079109)
重藤 実 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80126078)
藤井 啓司 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (60173382)
浅井 健二郎 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (30092117)
西村 雅樹 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60036431)
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Keywords | 記憶 / 意識 / メディア / 痛み / ドイツ文学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、今年度も9月・12月・3月の計3回研究会を開催し、合計21名から研究成果の報告を受け、討論を行った。主たるトピックは以下のようなものであった。 記憶と意識,記憶と無意識: ・フロイトの精神分析における記憶と自伝について。 ・ワイマール共和国時代における「大衆」をめぐる言説と記憶について。 ・近代日本文学におけるトーマス・マン文学の影響について。 ・戦後ドイツ文学における記憶の役割について。特にヘルタ・ミュラーにおけるルーマニア・ドイツ人の記憶と、ハイナー・ミュラーの『マウザー・プロジェクト』における「未来」の記憶について。 記憶のメディア,メディアと記憶: ・記憶の保存メディアとしての象形文字と妄想について。 ・大地の記憶としての地質学に対するゲーテの立場について。 ・歴史の記憶としての庭園と博物館について。 ・北園克衛のプラスティック・ポエムを中心に、記憶のメディアとしてのカメラについて。 ・映画に残された歴史の記憶について。 記憶と痛みについて: ・中世における痛みの記憶について。 ・ベンヤミンの文化論における痛みの考察について。 ・ツェラーンなどの詩人における痛みの記述。 前年度および今年度の研究により、ドイツ文学における<記憶>表現の輪郭がある程度明らかになってきた。今後の研究の進め方として、引き続きさまざまな<記憶>表現についての分析を進める必要があるが、特にメディアとの関係、および「痛み」として表現されている<記憶>のありかたについて、より詳細な研究が有望と思われる。
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Research Products
(54 results)