2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15202006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 純 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70107522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 嘉彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50079109)
重藤 実 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (80126078)
イヴァノヴィッチ クリスティーネ 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 客員助教授 (70376523)
浅井 健二郎 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (30092117)
西村 雅樹 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60036431)
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Keywords | 記憶 / 忘却 / メディア / 痛み / ドイツ文学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、今年度は12月・3月の計2回研究会を開催し、合計14名から研究成果の報告を受け、討論を行った。トピックは以下のようなものであった。 記憶と忘却: ・「忘却と想起の物語」としての『魔の山』 ・『シュレーバー回想録』におけるペルシャの神々について…記憶と想起の相克… ・死せる花婿-翻訳について ・HonigmannとBiller 記憶の形式とメディア: ・忘れえぬ絵の記憶-バールのクリムト評 ・実験詩としての『歓喜に寄せて』 ・現代ドイツ語文学における「記憶」 ・ベンヤミンにおける子ども-言語と物 ・演劇史研究における比喩形象(figura)の概念について ・ヘルダーリンにおける最上級と形式について ・自伝理論における人生史の規範 記憶と痛みについて: ・ツェラーンの詩における痛み ・HeideggerのSein zum Todeと記憶 今年度も、ドイツ文学における<記憶>表現と忘却との関係、さまざまな<記憶>表現の形式などについて分析を進めることができた。特に<記憶>とメディアとのさまざまな関係、および「痛み」として表現されている<記憶>のありかたについて、分析を進めることができた。今年度の研究により、ドイツ文学における<記憶>表現にとっては、「痛み」が重要な概念であることを確認することができた。しかしこの<記憶>と「痛み」の関係については、今年度の研究でまだ十分分析できたとは言えないので、2006年度(最終年度)にさらに詳細に分析を進める予定である。
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Research Products
(16 results)