2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15202006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 純 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (70107522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 嘉彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (50079109)
重藤 実 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (80126078)
イヴァノヴィチ クリスティーネ 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 客員助教授 (70376523)
浅井 健二郎 九州大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (30092117)
西村 雅樹 京都大学, 大学院文学研究科, 教授 (60036431)
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Keywords | 記憶 / 忘却 / メディア / 痛み / ドイツ文学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、今年度は9月に研究会を開催し、7名から研究成果の報告を受け、討論を行った。トピックは次のようなものであった。 ・家族のアルバム-ハイナー・ミュラーによるシェイクスピア改作劇について ・ベルンハルトの戯曲作品と記憶 ・廃墟と記憶 ・レンブラント的ドイツなるもの ・記録の向こうの記憶 ・日付と偶然 ・ドイツ文学における記憶と忘却 これまでの研究から、広義の「記憶」にあたるドイツ語の類義語はさまざまあり、ドイツ文学に表現された記憶の系列は多岐にわたっていることが明らかになった。記憶とはもともと過去に由来するものだが、文学テクストにおける記憶は、過去・現在・未来という直線的な時間観念とは異なった時間を内包している。また記憶とは元来は個人の機能であるはずだが、その記憶を保ち続けることにより、記憶が集合的な歴史へと拡大されるシステムを持つことも明らかになった。特に「痛み」の記憶は、個人にとっても社会にとっても忘れがたいものであり、文学テクストにおいても痛みの聖化・神秘化・倒錯など、さまざまな表現形式が存在する。 この研究の最終年度にあたり、これまでに明らかになった上記のような研究成果をまとめ、さらに今後研究を進めることが必要だと思われる点を検討した。特に「痛み」という文化ファクターの視点からドイツ文学における表現形式を検討することは、この研究では十分にはできなかったので、今後の重要な課題として残ることになった。
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Research Products
(62 results)
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[Journal Article] Der deutsuche Plural.2006
Author(s)
重藤 実
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Journal Title
getriwe an alles wenken Festschrift fur Shoko Kishitani zum 75. Geburtstag(hrsg. von Roland Harweg, Franz Hundsnurscher, Eijiro Iwasaki)
Pages: 188-195
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