2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15202018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久留島 典子 The University of Tokyo, 史料編纂所, 教授 (70143534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60143533)
杉本 史子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10187669)
鴨川 達夫 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60214566)
田中 誠二 山口大学, 人文学部, 教授 (80116730)
森下 徹 山口大学, 教育学部, 准教授 (90263748)
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Keywords | 中世史 / 近世史 / 史料学 / 古文書学 / データベース / 藩政史研究 / 絵図史料 / 萩藩 |
Research Abstract |
研究素材となる史料調書・目録データ作成は平成18年度に終了し、若干の補充作業を19年度に追加的に行った。この結果、まず史料編纂所所蔵分(A群)は8900件の調書・データ作成を終了、マイクロフィルム114リール62,902コマ・デジタル(カメラによる)撮影10,154コマにのぼる全点撮影を行った。寄託分(B群)は、マイクロフィルム85リール44,192コマ・デジタル(カメラによる)撮影7,199コマの撮影を行い、典籍と近代史料を除くほぼ全点撮影を終了した。また史料調書はデータベース化を進め、本研究終了時点での成果をCD-ROMに収め、研究成果報告書につけた。また、18年度途中に益田家旧陪臣各家に伝わる史料が新たに判明し、19年度に東京と山口で、関係史料も含め補充的調査を行った。 これらの研究素材を用い、18・19両年度に各研究分担者が以下の研究をまとめ、成果報告書に収めた。(1)中世武家史料研究班では、久留島「応仁文明の乱と益田氏」「毛利家文庫「譜録」所収の中世益田家文書」のほか、原屋・周布文書といった一族文書の考察、および近隣地域を扱った村井「史料編纂所所蔵「松浦文書」」、及川「中村久左衛門家所蔵の検地帳・名寄帳類」の各論考が、複雑な構成を持つ武家史料群の形成過程解明、在地支配状況の分析を行った。(2)近世藩政史料研究班では、田中「萩藩前期藩政の動向」(『山口県史史料編近世2』)同「萩藩寛文期の藩財政-益田家文書を中心に」、森下「明暦三年、他国出津切手之扣」が、益田家文書を分析するなかで萩藩政を総体的に論じるという大きな成果をあげた。(3)近世陪臣家史料研究では、木部「益田家文書に見る浦方制度」が大名並みの知行を持つ益田氏の給領支配の実態を分析した。さらに(4)絵図史料研究班は、藤川・宮崎「近世中期における萩藩京都邸の構成とその機能」同「近世中期の萩藩江戸桜田上屋敷の絵図二葉について」で屋敷絵図の分析を行い、杉本「領域と境界-元禄五年「寄鯨之絵図」」は、木部の分析した浦方制度とも関連付けながら絵図分析を行った。なお、19年度は、引き続き山口県文書館毛利家文庫遠用物、同萩市所在中世文書、島根県立図書館所蔵史料など関係史料群の調査・撮影を進め、各論考において分析を行った。
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Research Products
(20 results)