2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15202020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 時彦 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70027564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10222978)
岩井 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40167276)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
高嶋 航 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10303900)
村上 衛 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (50346053)
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Keywords | 県制 / 村制 / 県城 / 郷村 / 新河県 / 河北省 / 江蘇省 / 武進県 |
Research Abstract |
本年は、2003年4月の研究会で研究代表者が、江蘇省武進県と河北省新河県の清朝末期から現代にいたる県単位の人口及び集落の動態についての報告を行い、それを端緒として研究が進められた。 文献研究については秦代以来現在にいたる県制の長期的な歴史的な変遷や、江蘇省と河北省における近100年の県制の変遷の研究、武進県と新河県における新旧県志の対校などが積極的に進められた。また、研究分担者それぞれの専門分野においても県制に関わる研究が進めた。さらに、本研究に必要とされる書籍類についても相当量を収集し、国内における文献研究の基盤を整備することができた。 実地調査については、本年度は、中国における新型肺炎(SARS)の流行により、夏期に長期間予定していた調査の実施が不可能になった。そこで、肺炎の流行が完全に収束した冬季に、授業期間中ということもあり短期間ではあるが、武進県と新河県に対する実地調査を行った。 武進県(現常州市武進区)については、森紀子、緒形康、村上衛の3名が、11月17日〜20日にかけて調査を行った。17日に上海において史資料を収集した後、18日に現地(常州市)に入り、19日にかけて、広範囲にわたる景観観察をしつつ、当該地域の歴史的文物を見学した。また、文献収集の鍵となる常州市档案館において档案の公開状況を確認した。さらに、現在の経済発展を代表する新興工業地域の工場および市内の教育施設を訪問した。 新河県については、片山剛・小島泰雄の2名が、12月15日〜21日にかけて調査を行った。16日に石家荘において史料を収集した後、17日に現地(新河県)に入り、18日にかけて当該地域の生態環境を特徴づける河川と水利施設の見学を行い、さらに県域の集落・集鎮の分布と構造に関わる景観観察を行った。その後、19、20日に北京において関連する史資料を収集した。 以上の実地調査により、調査地域の特徴を把握し、文献を収集することにより、来年度以降の実地調査の見通しを立てることができた。
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Research Products
(24 results)
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[Publications] 森 時彦: "中国綿業近代化の動態構造"中国近代化の動態構造(森時彦編). 225-242 (2004)
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[Publications] 森 時彦: "紹介 安志輝主編 新方志『新河県志』"東洋史研究. 62・3. 93-96 (2003)
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[Publications] 金 文京: "金庸と現代日本"歴史と文学の境界-金庸の武侠小説をめぐって. 72-88 (2003)
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[Publications] 金 文京: "中国地図の不思議"アジア遊学. 56. 13-22 (2003)
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[Publications] 岩井 茂樹: "大清帝国と伝国のおしで"アジア遊学. 56. 33-41 (2003)
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[Publications] 岩井 茂樹: "清朝・朝鮮・対馬-1639年前後東北亜細亜形勢-"21世紀明清史研究方向的新探索. 59-70 (2003)
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[Publications] 岩井 茂樹: "清末の外銷経費と地方経費"中国近代化の動態構造(森時彦編). 191-224 (2004)
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[Publications] 岩井 茂樹: "十六世紀中国における交易秩序の模索-互市の現実とその認識-"中国近世社会の秩序形成(岩井茂樹編). 99-144 (2004)
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[Publications] 石川 禎浩: "李大しょう接受馬克思主義與陳溥賢"中国共産党創建史研究文集(1990-2002年)(中共-大会址紀念館編). 264-273 (2003)
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[Publications] 石川 禎浩: "青年時期的施存統-日本小組與中共建党的過程"中国共産党創建史研究文集(1990-2002年)(中共-大会址紀念館編). 406-419 (2003)
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[Publications] 石川 禎浩: "初期コミンテルン大会の中国代表(1919-1922年)"中国近代化の動態構造(森時彦編). (2004)
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[Publications] ISHIKAWA, Yoshihiro: "Anti-Manchu Racism and the Rise of Anthropology in Early 20th Century China"Sino-Japanese Studies. Vol.15. 7-26 (2003)
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[Publications] 高嶋 航: "天足会と不纏足会"東洋史研究. 62・2. 88-125 (2003)
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[Publications] 高嶋 航: "協会と信者の間で-女性宣教師による纏足解放の試み"中国近代化の動態構造(森時彦編). 273-309 (2004)
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[Publications] 片山 剛: ""広東人"誕生・成立史の謎をめぐって : 言説と史実のはざまから"大阪大学大学院文学研究科紀要. 44. 1-32 (2004)
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[Publications] 蒲 豊彦: "宣教師、中国人信者と清末華南郷村社会"東洋史研究. 62・3. 34-62 (2003)
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[Publications] 蒲 豊彦: "潮州・汕頭の義和団事件と慈善結社"中国近代化の動態構造(森時彦編). 245-271 (2004)
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[Publications] 蒲 豊彦: "史料紹介-アデル M. フィールドと19世紀中国の女性"女性歴史文化研究所紀要. 12. 45-54 (2004)
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[Publications] 小島 泰雄: "農村内部の不均等発展における村の役割"内陸中国の変貌(石原潤編). 200-225 (2003)
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[Publications] 緒形 康: "思想史を逆さに読む-1924年戴震生誕二百周年紀念・清室問題・戴震哲学"中国近代化の動態構造(森時彦編). 311-344 (2004)
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[Publications] 森 紀子: "遺漏辜鴻銘における文化保守の論理"中国近代化の動態構造(森時彦編). 345-366 (2004)
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[Publications] 村上 衛: "清朝と漢奸-アヘン戦争時の福建・広東沿海民対策について"中国近代化の動態構造(森時彦編). 3-34 (2004)
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[Publications] 森時彦編: "中国近代化の動態構造"京都大学人文科学研究所. 394 (2004)
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[Publications] 岩井 茂樹: "中国近世財政の研究"京都大学学術出版会. 585 (2004)