2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15203014
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田渕 隆俊 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70133014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井堀 利宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40145652)
吉川 洋 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30158414)
八田 達夫 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70008647)
柴田 弘文 関東学園大学, アジア太平洋マネジメント学部, 教授 (80112001)
|
Keywords | リスク管理 / 集権化 / 分権化 / 安全保障 / 経済厚生 / 地域経済 / 社会保障制度 / マクロショック |
Research Abstract |
平成15年度に行った集権化と分権化社会の理論的、実証的な成果を踏まえて、平成16年度では、もう1つの大きな研究課題である、内生的に発生するリスクを適切に管理する政策のあり方を、マクロの財政金融政策、社会保障制度改革、地方分権下での地域経済への対応政策などを中心として、理論的、実証的に分析を進めた。たとえば、地方分権の枠組みでは中央政府と地方政府間のリスク負担のあるべき姿に関して、情報の非対称性や政府支出の波及効果の相違などを考慮しつつ、リスク負担を政府間でどのように分担すべきかに関して、理論的に研究した。また、社会保障制度改革では、人口変動や利子率変動のリスクに関して、賦課方式と積立方式の比較や確定拠出方式と確定給付方式の類似点、相違点などについて、分析を進めた。そのために、各国の地域経済政策・再分配政策、社会保障制度の現状について、主として、利害関係者間での再分配制度の評価という視点から、国際的に調査と研究を行った。 また、政府によるセーフティー・ネットとしてのリスク管理政策と民間部門によるNPOなどの自発的な対応との比較を、いくつかの国の事例を調査しながら、理論的にも研究を進めた。同時に、政治経済学の成果を利用して、集権化と分権化社会における意思決定のあり方を理論的に整理して、リスク管理のあるべきシステムを考察した。たとえば、自発的なリスク管理のあり方としてNPOなど民間の対応と政府による公的保険や財政による対応との比較を試みた。そして一定の条件の下で、完全な相殺効果(クラウディングアウト効果)が生じることが検証された。同時に、その条件が成立しない場合に、どのような政策的対応が望ましいのかについても、一定の興味ある結果が得られた。
|
Research Products
(7 results)