2005 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物をめぐる人間行動と制度-環境問題解決の数理・計量社会学-
Project/Area Number |
15203021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海野 道郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90016676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 計二 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00198714)
小松 洋 松山大学, 人文学部, 教授 (60241501)
土場 学 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (50253521)
阿部 晃士 岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (50305314)
篠木 幹子 岩手県立大学, 総合政策学部, 専任講師 (20398332)
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Keywords | 社会的ジレンマ / 廃棄物 / ごみ問題 / 仙台市 / 名古屋市 / 水俣市 / 制度 / 有料化 |
Research Abstract |
本年度は、社会的ジレンマ論の議論を発展させてモデルを構築するとともに、昨年度に実施した予備調査の分析結果を踏まえて、ごみ分別制度が特徴的な仙台市、名古屋市、水俣市において調査票調査を実施した。具体的には、(1)9月上旬までに調査票を作成し、(2)10月上旬に調査対象者に向けて調査票を発送し、(3)10月中旬から下旬にかけて、留め置き法による実査を実施した。その後、12月の下旬まで、郵送による調査票の回収努力を行った。また、(4)12月下旬に回答者に対する速報を送付し、(5)2月の下旬には、調査を実施した仙台市、名古屋市、水俣市で記者発表を実施し、新聞、ラジオ、テレビで分析結果が報道された。 調査データの分析の結果、以下のことが明らかになった。(1)負担が大きい制度でも、その意義が理解されるならば肯定的に評価される。行政施策の意義や目的が住民に理解されることの重要性が、この調査によって改めて確認された。(2)環境省は全国の市町村でごみ処理の有料化を進める方針を示しているが、有料化に対する賛成率はいずれの都市においても約4割であり、ごみ分別制度の違いによる有料化賛成率の違いはみられなかった。また、有料化に対する住民の合意を得るうえでは、「税の二重取り」と受け取られないための工夫や有料化の効果も含めた社会的意義の周知が重要であることが明らかになった。(3)資源のリサイクル活動や種々の環境配慮行動は、それぞれの都市の環境政策に影響されるとともに、地域の市民活動・住民活動の影響も受けていることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)