2004 Fiscal Year Annual Research Report
障害者の入所施設から地域の住まいへの移行に関する研究
Project/Area Number |
15203024
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
河東田 博 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (80258318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤塚 光子 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (10318686)
浅井 春夫 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (30231864)
新保 穏子 立教女学院短期大学, 幼児教育科, 助教授 (50270012)
孫 良 大阪人間科学大学, 人間科学部, 講師 (90299355)
朝田 千恵 大阪外国語大学, 外国語学部, 兼任講師
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Keywords | 入所施設 / 地域移行プロセス / 地域生活支援 / オランダ / オーストラリア / ノルウェー / 日本 / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究は、入所施設から地域の住まいへの移行をどうしたらスムーズに行うことができるのか、また、移行後の地域生活をどう支援していったらよいのかを検討する目的で行われた。 目的達成のため、2004年8月から2005年2月にかけ、オランダ・ユトレヒト、オーストラリア・ブリスベン、ノルウェー・ボードー、日本・北海道(伊達)などで知的障害者本人及びその関係者への面接調査を行った。なお日本においては、同様の実態調査が身体障害領域でも開始され始めた。 今年度実施した面接調査における対象者は、原則として(1)入所施設での居住経験がある地域生活者20人、(2)その家族10人、(3)関わりのあった職員10人とした。対象者の選定は、旧施設を管轄していた協会(施設)の幹部職員や担当職員(地域コーディネーター等)にお願いをした。面接調査にあたっては、対象者基礎調査用紙、対象者用面接調査用紙、家族用面接調査用紙、職員用面接調査用紙を用意した。これらの調査用紙を参考にしながら、予め準備したインタビューガイド(個別情報、地域の住まいへの移行プロセス、居住状況、日中活動、余暇活動、会議への参加、対人関係、自己理解・自己決定、地域生活支援システムなどの質問項目を盛り込んだもの)に沿って、一人ずつ面接形式で行った。 対象者本人に対する面接は、対象者が最もリラックスできる場や環境が用意できるように、対象者の家や部屋、所属機関の会議室等で行い、お茶などを飲みながら行った。面接時間は、30分から3時間と、対象者によって幅があった。家族に対しては、施設に来ていただいたり、家庭訪問をして面接調査を実施した。調査内容は、施設移行プロセス、障害者本人支援の在り方、地域生活支援システムに関してであり、本人の現在の生活状態や満足度といったものについても意見聴取を行った。職員には、主に施設を所管している協会等の建物の一室を利用して面接調査を実施した。調査内容は、家族と同様であった。 対象者の了解を得てテープ録音を行ったが、現在、対象者の逐語記録を作成し、グランデッドセオリー的手法を用いて質的に分析を行っているところである。分析作業はまだ継続中だが、入所施設の構造的問題や地域移行プロセス・地域生活支援の現状と課題が明らかになりつつある。
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Research Products
(4 results)