2004 Fiscal Year Annual Research Report
重力要因が知覚・運動協応の体制化に関与する中枢メカニズムの解明
Project/Area Number |
15203029
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古賀 一男 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (30089099)
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Keywords | 重力 / 運動 / 眼球運動 / 頭部運動 / 運動知覚 / 視性眼振 / 前庭動眼反射 |
Research Abstract |
脊椎動物には3次元的生活空間を営む生物には魚類,両性類,鳥類,哺乳類の一部があるが,その他の多くの生物は2次元的な生活を営なんでいる.これらの動物は重力空間で行動するという意味ではそれぞれ固有のストラテージと行動様式を持っている.これらの生物に共通な外力(生存条件)は重力である.地球上に棲む限りに於いてこのことは等しく共通の条件であるために通常は特別の環境下か特殊な個体で無い限り問題にされることは無い.しかし,ひとたび特殊な環境,例えば重力の無い宇宙環境などに生物が晒された時,そこには多くの解決しなければならない問題が生じると共に,我々にとって重力とは何であるかを考え直さなければならに自体が発生することになる.本研究課題はこのような研究目的の為に以下のような感覚・知覚および運動に関する個別の研究目的を設定した.本年度の研究実績は次のようにまとめられる. 1)頭部位置と両眼眼球運動を同時に高速(最高2.5msサンプリングタイム)で測定できる装置によって受動的3軸スイング運動中の眼球運動を測定した.この測定には眼球の回旋運動(カウンター・トーション)の記録も含まれるが,この測定には同時に頭部運動を3軸共に回転角,リニアー位置変位共に記録できるようになった. 2)測定ツールとして,言語的なコミュニケーションが困難な乳幼児用測定装置を開発した.本装置はビデオイメージをリソースとして両眼,頭部の位置変位を同時に計測することが可能である.頭部位置と眼球変位を同時に記録できるということは,取りも直さず眼球位置データから頭部位置データを差し引いた値,即ちゲイズが記録可能にあったことを意味する. 3)上記システムを用いることで乳幼児の発達過程における重力要因が眼球運動にどのように関与するかということについて縦断的,横断的研究の双方を実施することが可能になったといえる. 4)同システム用いる際の較正方法について新しい手法の開発に着手した.
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Research Products
(4 results)