2005 Fiscal Year Annual Research Report
数値的検証法から計算機援用解析学の構築へ向けての総合的研究
Project/Area Number |
15204007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 充宏 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10136418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 正久 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30093272)
今井 仁司 徳島大学, 工学部, 教授 (80203298)
土屋 卓也 愛媛大学, 理学部, 教授 (00163832)
西田 孝明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70026110)
陳 小君 弘前大学, 理工学部, 教授 (70304251)
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Keywords | 数値解析 / 精度保証付き数値計算法 / 解の数値的検証 / 解の事後誤差評価 / 計算機援用証明 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続いて、各分担者とも、個別の問題によらない無限次元・有限次元の共通的精度保証付き数値計算およびその関連数値計算方式の開発に対して恒常的に取り組むとともに、実際の現象に即した問題に対する、計算機援用証明の実例も与えその有効性の実証に努めた。また、この分野に関する各内外の研究集会に参加し、講演討論を行い、研究成果の発信を行うとともに活発な研究情報を交換し、新たな研究の進展を図った。主な研究実績は以下の通りである。 (1)楕円型境界値問題および定常Navier-Stokes方程式の解に対する精度保証付き計算法を、より実用度の高いものに改良・拡張することを試みるとともに、実際問題に適用しその有効性を実証した。具体的には、 (i)無限次元Newton法にもとづく数値的検証法の実際問題への適用例として2次元Driven-Cavity問題の解を取り上げ、有限要素法とその構成的誤差評価を用いた場合の検証を実現した(中尾、長藤、橋本) (ii)空間2次元熱対流問題の解の検証のためにスペクトル法をもとにした精度保証方式により、理論的解明が困難な分岐点自体の数値的存在検証方式を定式化し、数学的に厳密な数値的検証を行った(中尾、渡部、西田) (iii)2次元重調和方程式の有限要素解に対するアプリオリ誤差評価定数を、実用的な値で精度保証付きで算定する方法を定式化し、その実例を与えた(中尾、長藤) (2)perturbed Gelfand方程式の2重変曲点の数値的存在検証を定式化して実現した(皆本、中尾) (3)熊手型分岐点の存在証明で有効なCrandall-Rabinowitzの分岐定理を拡張しその応用を定式化した(川中子) (4)関数方程式の解の一意性に対する数値的検証法に関し、基礎定理を整理し実際の適用を容易化した(山本) (5)斜面上を流れる自由表面を持つ流体運動に対して、Hopf分岐が起こっている事を証明した(西田) (6)連立一次方程式の多倍長精度計算における区間演算を計算機クラスターを用いることでで容易に並列計算できるFortranライブラリを開発した(今井) (7)偏微分方程式の数値計算において,理論的に安定性が証明されているが,実際に計算をすると不安定になるという,理論と実際の乖離現象について考察し、誤差が搬入しても安定に計算できる計算スキームを示した(田端) (8)有限次元の非線形方程式に対して,写像度を用いた数値的検証の実用的なアルゴリズムを提案した(村重) (9)有界領域上で定義された調和関数の境界微少摂動による変化について考察し、その第1変分を与えた(土屋)
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Research Products
(14 results)