2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15204010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤本 正行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00111708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
吉井 譲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00158388)
青木 和光 国立天文台, 光赤外天文学研究部, 主任研究員 (20321581)
辻 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 名誉教授 (20011546)
小林 行泰 国立天文台, 光赤外天文学研究部, 教授 (50170361)
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Keywords | 恒星進化 / 恒星大気構造 / 分光分析 / 超新星爆発 / 星形成 / 初期宇宙 / 第一世代の恒星 / 超金属欠乏星 |
Research Abstract |
今年度は宇宙黎明期の恒星の観測的、理論的な理解で画期的な進展があった。分担者の青木がPIを勤め、藤本、野本、吉井が参加するドイツ、米国との共同プロジェクトでこれまで知られた最も金属量の少ないHE1327-2326を発見した([Fe/H]=-5.4)。すばる望遠鏡の高分散分光での詳細な組成分析(青木)に加えて、MAGNUM望遠鏡による可視UBVRI 5バンドによる測光観測を行ない有効温度を高精度で求めた(吉井、小林)。この星は2002年に発見されたHE0107-5240についで2番目の太陽の10万分の1以下の金属量の星で、ともに炭素星であるが、その共通点および相違点をから超金属欠乏星の観測的な特徴の理解が進んだ。この成果はNatureに掲載予定である。 理論的にも、昨年の成果を発展させて、2つの星が誕生後に星間物質、連星系での降着・物質流入で金属汚染された第一世代の恒星である(藤本)、あるいは、第一世代の超新星で汚染された星間物質から形成された第二世代星である(野本、鈴木)、との2つの立場から超金属欠乏星に関連した物理過程の新しい側面を解明した。第一世代星の立場からは、ヘリウム燃焼殻への水素の混合程度により2つの恒星がともに説明できることを示し、超金属欠乏星における新しいs-process過程を提唱した。一方、第二世代星の立場からは、[Fe/H]<-5はエネルギーが小さく超新星から、-3<[Fe/H]<-4は極超新星で説明できること示し、超新星爆発のモデルの1次元/2次元の流体計算で物質降着を定量的に評価した。 また、木曾のシュミット望遠鏡による炭素星の探査については候補天体の選別(藤本、官谷)、すばる高分散分光器をもちいた初期世代星の観測にもとづく、重元素合成過程や炭素過剰を示す特異な天体の組成の系統的な研究(青木)、これら低質量星と関連して、褐色矮星のL型からT型への遷移についての統一的な理解(辻)で進展があった。 木曾のシュミット望遠鏡による炭素星の探査については候補天体の選別(藤本、官谷)、すばる高分散分光器をもちいた初期世代星の観測にもとづく、重元素合成過程や炭素過剰を示す特異な天体の組成の系統的研究(青木)、これら低質量星と関連して、褐色矮星のL型からT型への遷移についての統一的な理解(辻)で進展があった。
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Research Products
(27 results)