2003 Fiscal Year Annual Research Report
Ia型超新星分光測光サーベイによる宇宙膨張の精密測定
Project/Area Number |
15204012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土居 守 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00242090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本原 顕太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90343102)
安田 直樹 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80333277)
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Keywords | 超新星 / 宇宙膨張測定 / 撮像分光装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、明るさ一定の標準光源であるIa型超新星を近傍と遠方で観測をして明るさを詳細比較することにより、宇宙膨張の歴史を詳しく調べようというものである。研究の内容には大きく分けて、遠方の観測と近傍の観測の2つに別れる。遠方の観測については、すばる望遠鏡の広視野カメラSuprime-Camを使った国際共同研究により最も遠くの超新星を見つけ精密に測ること、近傍の観測については分光撮像装置を製作し、近傍のIa型超新星の分光測光を頻繁に行っていくことが主な研究内容である。 まず遠方の観測については、本年度は2001,2002年にすばる望遠鏡でいってきた探索のまとめと追加観測を行った。まとめとしては、2002年の秋から冬にかけて行った超新星探索の結果を、2004年4月にIAUサーキュラーに報告した。18個の超新星を報告したが、とりわけ1視野に12個が同時に写っており、このように多数の超新星が一度に写った例がないことから記者発表を行い、新聞等で広く報道された。2003年秋にはすばる望遠鏡で2晩の観測を行い、超新星が暗くなったあとの画像の取得に成功した。2004年春のすばる望遠鏡の観測を待って、論文にまとめる予定である。また2003年6月にはストックホルムでの国際共同研究スーパーノバコスモロジープロジェクトの国際会議に出席し、成果の報告を行うと共に、まとめていく上での議論を行った。その他に、国際会議において2度の招待講演を行った。一般向けの成果の公表としては、上記記者発表の他、和歌山県のみさと天文台にて一般向け講演を行った他、物理学会主催の一般向けセミナーにて講演を行い、その講演集として書籍「宇宙を見る新しい目」を共著で出版した。 次に近傍の観測については、撮像分光装置の開発を進めた。まず15色同時撮像のためのリークカットフィルターを製作し、必要なファイルターをすべてそろえた。またCCD検出器まわりでは、古くなっていたエレクトロニクスを最新のメシアVエレクトロニクスに更新するために必要なものをそろえた。また光学設計や分光測定を行うための環境の整備を行った。分光撮像装置の完成は2004年度となるが、これは当初の予定通りである。
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Research Products
(1 results)