2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15204014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10192642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 優 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30302079)
鵜養 美冬 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 研究機関研究員 (30420053)
高橋 俊行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50281960)
小池 武志 東北大学, 大学院・理学研究科, COEフェロー (70396422)
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Keywords | ハイパー核 / ラムダ粒子 / ガンマ線分光 / ゲルマニウム検出器 / BGOカウンター / Λ核子相互作用 / Hyperball |
Research Abstract |
Hyperballを用いたハイパー核γ線分光実験BNL E930のデータ解析を引き続き行った。^<16>O標的のデータから^<15>_ΛNハイパー核のγ線を3本同定し、γγ同時計測とドップラーシフトによる励起状態の寿命測定によって、^<15>_ΛNレベルスキームを構築した。さらに、各γ線について(K^-,π^-)反応の散乱角依存性を求めた。一方、ハイパー核で初めてのγγ同時計測の成功についての^7_ΛLiの論文を発表した。 Hyperballに使われていた14台の個別型ゲルマニウム検出器と新しい6台のClover型ゲルマニウムとを検出器を組み合わせたHyperball2を建設した。まず装置を東北大サイクロトロンの実験室に組み上げ、通常核のγ線分光実験を行って、Hyperball2の性能が十分達成されていることを確かめた。その後、Hyperball2をKEKに移動し、^<12>C標的を用いたハイパー核ガンマ線分光実験E566を行った。この実験では、KEK-PS K6ラインにおいてSKSスペクトロメータを用いて^<12>C(π^+,K^+)反応によって^<12>_ΛC,^<11>_ΛBを生成し、これらからのγ線をHyperball2で測定した。9月末から10月末まで順調にデータ収集を行い、引き続きデータ解析を行った。解析途中ではあるが、^<11>_ΛBの基底状態二重項間のγ遷移(7/2^+->5/2^+,262keV)と、^<12>_ΛCのコア第一励起状態から基底状態二重項へのγ遷移のうち一方(1^-_2->2^-,2.67MeV)を観測した。^<11>_ΛBのγ線エネルギーは、これまでの我々の実験で得られたΛN間のスピン依存相互作用の大きさを用いた理論予想より小さく、より詳細な理論的考察が行われつつある。
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Research Products
(6 results)