2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15204019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 彊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40022735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 美和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20111932)
宇治原 徹 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60312641)
栗木 雅夫 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80321537)
高嶋 圭史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40303664)
山本 将博 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00377962)
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Keywords | ビームエミッタンス / 低エミッタンス電子源 / 偏極電子源 / 負の電子親和性表面 / NEA-GaAsフォトカソード / tip状-GaAsフォトカソード / 電子・陽電子リニアコライダー / ERL(Energy Recovery Linac) |
Research Abstract |
電子・陽電子リニアコライダー計画および次世代放射光源ERL計画に用いる低エミッタンス電子源として200keV偏極電子源システムを開発し、以下の成果を挙げた。 (1)NEA-GaAs型フォトカソードによる初期エミッタンスの最小化 GaAs-GaAsP超格子フォトカソードから平均電流10nA程度、直径約0.8mmの120keVビームを引出し、水平方向の初期エミッタンスをPepper-pot型測定器にて精密測定した結果、理論から予測される最小値に合致する0.095±0.005p.mm.mradを得た。これはERL計画が求めるエミッタンスが高電界電子銃により実現できることを実証した基礎データである。 (2)ピラミッド状GaAsフォトカソードの基礎開発 ピラミッド状GaAsの先端を曲率半径25nmのtipとしたフォトカソードを作成し高電界を印加して電流-電圧、電流-光励起エネルギー特性と電流のスピン偏極度を測定した。その結果、NEA表面を使わずに電界放出機構を用いた偏極電子ビーム生成が可能であること、偏極度はNEA表面型に優るとも劣らないことが実証でき、低エミッタンス偏極電子源として新しい手法として有望であることを示唆することができた。 (3)ピコ秒レーザー照射によるビーム引出し ERL計画用電子源が予定している繰返し81.25MHz,パルス幅25psのピコ秒パルス電子ビームを200keV電子銃に装着したGaAs-GaAsP超格子フォトカソードにより生成した。その結果、0.5Wのレーザー照射により0.3mAの電子ビームを生成でき、この領域では空間およびNEA表面における電荷制限効果は無視しうることを実証した。今後はエミッタンスおよびNEA表面寿命の電流強度、引き出し電界依存性を測定する予定である。 (4)チタン・モリブデン電極の製作 200keV電子銃電極には清浄ステンレス材を使用しているが、より高電界化を図るため電界放出暗電流の少ないチタン、モリブデンを用いて電極の製作を行った。純チタン電極は精密切削加工、モリブデン電極は高価な切削加工成形でなく絞り加工+電子ビーム溶接の手法を開発し現在最終工程に入っている。この電極を200keV電子銃へ装着し低暗電流化を実現して、ERL用500keV電子銃開発へとつなげる予定である。
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Research Products
(6 results)