2005 Fiscal Year Annual Research Report
長基線ニュートリノ振動によるニュートリノ質量と混合の研究:K2Kから次世代実験へ
Project/Area Number |
15204023
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization (KEK) |
Principal Investigator |
中村 健蔵 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10011735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 稔 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70044782)
小林 隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70291317)
市川 温子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50353371)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 長基線ニュートリノ振動 / K2K / J-PARC / 大強度陽子加速器 / 電磁ホーン |
Research Abstract |
K2K実験の遂行に関しては、昨年度2004年11月にデータ取得を終了し、4σの有意度でミューニュートリノの振動をdisappearanceモードで確認している。今年度はデータ解析を続行し、主として前置検出器でのニュートリノ反応断面積の測定に成果を上げた。今年度発表した論文としては、1kton水チェレンコフ検出器で中性カレント反応による中性π中間子発生の断面積を、全荷電カレント反応断面積との比として測定した。また、SciBar検出器を用いてコヒーレントな荷電π中間子発生断面積を測定し、ニュートリノエネルギー1GeV付近でこの断面積が0と矛盾しない、意外な結果を得た。 J-PARCの50-GeV大強度陽子加速器を用いる長基線ニュートリノ振動実験のための電磁ホーン系の開発においては、第1ホーンについて、前年度からの残る課題であった電流導入部、冷却水システムの開発、設計、製作を行ない、電磁ホーン全体を完成させた。また、J-PARCにおいて不可避である電磁ホーンの遠隔保守作業を可能とするため、電磁ホーン本体、水配管およびバスバーの遠隔着脱装置の開発を行ない、要求を満たす性能をもった試作器の製作に成功した。集大成として、電磁ホーン本体およびこれらの遠隔着脱装置を装備した支持モジュールの設計も行なった。シミュレーションによる研究では、ニュートリノ振動実験の要求を満たすために必要な電磁ホーンシステム設置精度および陽子ビームの調整精度を調べた。この要求精度を基づき、電磁ホーン支持モジュールの位置調整装置を設計、製作し、要求を満たす性能を得た。 また、今年度は本科研費により、延べ6人が9ヶ所の国際会議に参加し、招待講演を行う等、実験結果の情報発信及び関連研究に関する情報収集を行った。
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Research Products
(4 results)