2005 Fiscal Year Annual Research Report
極限熱放射線環境における高強度・高純度K中間子ビームラインの研究
Project/Area Number |
15204024
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野海 博之 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10222192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今里 純 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40107686)
高崎 稔 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (70044782)
永江 知文 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (50198298)
家入 正治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50192472)
里 嘉典 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30342603)
|
Keywords | K中間子 / 大強度ビーム / 耐放射線 / ビームモニター / ビームライン |
Research Abstract |
1)K中間子生成標的の開発 実証機の駆動試験を実施した。長時間運転による長い駆動シャフトの軸ずれによる駆動トルクが上昇する問題などがあぶりだされ、改良が加えられた。メンテナンスシナリオの検討をさらに推進した。 2)遮蔽・コリメータの開発 遮蔽計算の見直しによる遮蔽体量の最適化を実施した。コリメータ材料(銅)の除熱試験の実施。 3)耐熱耐放射線電磁石の開発 電磁石モックアップによる真空中運転試験を実施。間接水冷コイルの効果的な除熱方法が見出された。 4)静電分離装置の開発 真空槽と新型電極部品を組み立て、試験運転を実施した。定格の400kVの印加に成功した。真空度や様々な導入ガスに対する印加電圧、放電特性などが調べられた。 5)真空関連機器の開発 ビーム窓の材料の大強度陽子ビーム照射による引張強度や熱膨張係数の変化を測定。引張試験では照射による脆化が観測されたが弾性領域での特性はあまり変化がなかった。熱膨張係数の変化も観測されたがアニーリングで回復することが見出された。 6)ビームモニターの開発 残留ガスプロファイルモニター(RGIPM)および遷移放射光プロファイルモニター(OTRPM)の試作とビームを用いた試験を実施した。RGIPMについては永久磁石による磁場を印加し電離電子と残留ガスの相互作用によるプロファイルの乱れを抑えた。これでほぼ実用に耐えるモニターが作れる見通しができた。OTRPMによるプロファィルの観測に成功した。受光機器の耐放射線性が調べられた。 7)ビームラインの光学設計 J-PARCハドロン実験室におけるK1.8ビームライン(定格運動量1.8GeV/c)の光学デザインをさらに進めた。とくに、K中間子ビームの純度を決めるマススリットの設計が進められた。シミュレーションにより、純度の上がる形状や材料について最適化された。また、上述3)の電磁石設計から予想される磁場分布の影響などが調べられた。K1.1ビームライン(定格運動量1.1GeV/c)の光学デザインについて韓国の研究者との協力が始まった。
|
Research Products
(1 results)