2005 Fiscal Year Annual Research Report
新星・超新星における元素合成過程にかかわる軽い不安定核の天体核反応率測定
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15204025
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
本林 透 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 主任研究員 (20116114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 卓 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 副主任研究員 (60176302)
岸田 隆 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 先任研究員 (20204852)
青井 考 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 研究員 (00311647)
柳澤 善行 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 研究員 (70360659)
武内 聡 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 基礎科学特別研究員 (30360580)
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Keywords | クーロン分解 / rp過程 / 爆発的水素燃焼 / RIビーム / 磁気双極子遷移 / 陽子捕獲反応 / 陽電子崩壊 / 新星 |
Research Abstract |
理化学研究所加速器研究施設において行われた高速RIビームを用いた実験結果の分析を行った。 1)rp過程陽子捕獲反応のクーロン分解法による決定 不安定核^<23>Al,^<27>Pのクーロン分解反応の実験結果をもとに、爆発的水素燃焼過程の天体核反応率の決定を行った。両反応が陽電子崩壊より速くなる温度・密度条件を求め、新星やX線バーストの天体モデルと比較したところ、新星では大半の場合陽電子崩壊が勝り、X線バーストでは陽子捕獲が優勢であることがわかった。 2)クーロン分解反応機構の研究 連続状態を経由するクーロン分解反応では、陽子捕獲の主成分である電気双極子(E1)遷移以外に、他の遷移多重度(M1,E2)および、核力励起の寄与も含まれ、その割合が陽子捕獲の場合と異なる。昨年度^8B核のクーロン分解反応におけるM1,E2および核力励起の寄与を求めるため、従来行った鉛標的に加えて、液体水素および液体ヘリウム標的による分解反応の実験を行った。理論解析の基礎となる弾性散乱の角度分布の導出に成功し、光学ポテンシャルによる解析が可能となった。また、分解機構の理論的解析について議論するワークショップを開き、理論研究者との研究協力を行った。特に、微視的反応理論による解析から多階段過程の寄与が、従来言われていた直接反応の結果とクーロン分解反応の結果の違いを解消する可能性が高いことが明らかとなった。 3)磁気双極子遷移を導出する方法の開発 爆発的水素燃焼の核反応では基底状態とM1・E2混合遷移で結ばれている共鳴が重要なことが多い。M1、E2クーロン分解の散乱角度分布の違いを用いて両者の寄与を分離する方法を発案し、^<31>Cl核のクーロン分解についてのシミュレーションを行い、その有効性を検証した。RIビームファクトリーでの実験など、将来の研究の可能性を切り開くものである。
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Research Products
(3 results)