2004 Fiscal Year Annual Research Report
p電子系物理学-ボロン・カーボン系の超伝導と磁性-
Project/Area Number |
15204033
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
秋光 純 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80013522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浴野 稔一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40185103)
銭谷 勇磁 青山学院大学, 理工学部, 助手 (50327285)
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Keywords | 硼化物 / 炭化物 / 超伝導 / 強磁性 |
Research Abstract |
本研究は、「p電子系物理学-ボロン・カーボン系の超伝導と磁性-」を目的に掲げ、p電子系(ボロン・カーボン・シリコン系)化合物における超伝導・磁性の発現機構を総合的に理解するため、研究を行ってきた。主な研究成果として、以下の3つが挙げられる。 (1)MgB_2の超伝導発現機構をさらに深く探るため、電子対媒介相互作用スペクトル、Al固溶系試料におけるフォノン状態密度の測定から、ボロン面内の高エネルギーフォノンモードが電子と強く結合することを明らかにした。このことより、MgB_2は軽量元素の高エネルギー振動が関与した新しいタイプの強結合超伝導体と考えられる。 (2)MgB_2と同じ結晶構造を有するNbB_2やCaAlSiについてトンネル分光によるエネルギーギャップ測定、放射光X線による結晶構造・電子密度分布の評価を行い、それぞれの系において、その超伝導特性と組成変化による結晶構造の微小な変化との間に密接な関係があること、従来型超伝導とは異なる特徴を持った強結合超伝導であることを明らかにした。 (3)新しい超伝導体Y_2C_3(T_c=8K)におけるT_cの変化を、結晶構造の観点から明らかにするため、放射光X線を用いた低T_c相,高T_c相の詳細な構造解析を行った。現時点では未だ予備的な結果ではあるが、T_cの変化と結晶中のC-Cダイマーの距離との間に密接な関係があることを示唆する結果を得た。 (4)CaB_6における特異な磁性出現の機構を明らかにするため、大型単結晶による角度分解光電子分光測定を行い、ある特殊な場所に小さな電子ポケットが形成され、それが磁性の出現に関わっていることを示唆する結果を得た。
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Research Products
(6 results)