2005 Fiscal Year Annual Research Report
p電子系物理学-ボロン・カーボン系の超伝導と磁性-
Project/Area Number |
15204033
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
秋光 純 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80013522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浴野 稔一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40185103)
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Keywords | 超伝導 / p電子系 / Y_2C_3 / トンネル分光 / STM |
Research Abstract |
秋光 1)MgB_2型超伝導体Ca(Al,Si)の単結晶試料を作成し、超伝導に関する種々の物性測定を行った。特にAl, Si層の配列に関して長周期構造を持たない試料(1-Hと名付ける)を作成し、5倍(5-H),6倍(6-H)周期を持つ構造に対して超伝導のパラメーターがより等方的になっていることを示した。 2)我々は1昨年Y_2C_3というT_c=18Kの超伝導体を発見した。その後異なるT_cを持つ種々のY_2C_3の作成に成功し、その超伝導特性を現在測定中である。この物質の結晶構造は反転対称性を持たないことから、単純なS-波超伝導体でないことが示唆されている。 浴野 層状物質MgB_2の超伝導状態を微視的に調べるために,走査トンネル顕微鏡/分光(STM/STS)システムによる研究を行った。STMによる表面観察では,三角格子と六方格子の2種類のパターンからなる特徴的な原子配列が観測された。三角格子像の隣接斑点間隔は~0.3nm,六方格子像では最近接斑点間隔~0.17nmであり,MgB_2のMg面とB面の格子定数と一致する。STSで観測された超伝導ギャップは多重ギャップを考慮した「相関2ギャップモデル」で記述され,また最大ギャップの大きさ2Δ=10meVはこの物質が異常な強結合超伝導体であることを示す。これらSTSの結果は我々の裂開接合トンネル分光の結果と非常に良い一致を示す。さらにギャップ構造の空間依存性を調べたところ,分布は存在するものの200nmx200nmの範囲で一様な領域も存在し,銅酸化物高温超伝導体で見られる表面状態の顕著な不均一性は観測されていない。
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Research Products
(24 results)