2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15204035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥井 寿夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40306535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 豊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00345076)
久我 隆弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60195419)
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Keywords | レーザー冷却 / 原子ビーム / ボーズ・アインシュタイン凝縮 / 原子レーザー / レーザー分光 / 周波数安定化 |
Research Abstract |
本研究の目的である連続発振原子レーザー実現の第一段階であるルビジウム原子のゼーマン減速器の作成とその性能評価を行った.ゼーマン減速器の全長は約100cmであり,平均速度300m/sの熱的原子ビームを速度20m/sまで減速することに成功した.オーブンの温度が150℃のときの低速原子ビームの流量は1秒間に10^<11>個であった.減速した原子ビームを,第二段階の冷却である磁気光学トラップ(MOT)にロードすることにも成功した.MOTへのローディング効率は,一秒間に約10^<10>個であり,減速した原子ビームの10%しかトラップできていないことがわかった.また,オーブンのノズル(内径5mm)にガラス製のキャピラリープレート(穴径5μm,厚さ1mm)を付ける改良を行った.その結果,原子ビームの指向性が向上し,オーブンの寿命を約10倍延ばすことができた.これにより,今後の実験の能率は大きく向上するものと期待される. 低速原子ビームの開発と同時に,ゼーマン減速器に必要なレーザーの周波数の安定化に関する研究も行った.これまでの典型的な周波数ロックの手法は,原子の吸収特性を用いるものだが,今回,我々は原子の分散特性に着目し,原子の分散をプローブ光の強度変化として観測し,その信号を用いて簡便にレーザーの周波数を安定化する手法を開発した(Applied Opticsに発表済). また,連続発振原子レーザーの動作原理に関係するボース凝縮体におけるボゾニック誘導効果について,既存のボース凝縮体発生装置を用いて研究した.これまで初状態と終状態の内部状態が同じ場合(レイリー散乱)のボゾニック誘導効果は観測されていたが,今回,初状態と終状態の内部状態が異なる場合(ラマン散乱)のボゾニック誘導効果を世界で初めて観測した(Physical Review Aに掲載決定).
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yutaka Yoshikawa: "Frequency stabilization of a laser diode with use of light-induced birefringence in an atomic vapor"Applied Optics. 42. 6645-6649 (2003)
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[Publications] Yutaka Yoshikawa: "Observation of Superradiant Raman Scattering in a Bose-Einstein Condensate"Physical Review A. (in press).