Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 教授 (60242153)
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)
纐襭 一起 東京大学, 地震研究所, 教授 (90134634)
古村 孝志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80241404)
小原 一成 防災科学技術研究所, 高感度地震観測室, 室長(研究職)
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Research Abstract |
日本列島を対象とした構造研究には,制御震源地震探査による詳細な断面図作り,走時・振幅トモグラフィーによる3次元構造マッピング,レシーバー関数によるモホ等の境界面マッピングなど種々のアプローチがあるが,それぞれの研究は多くの場合各々で閉じてきた感がある.本研究では,地震波動場という概念を用いることにより,今までの研究成果を再評価し,現実に観測されつつある地震波動場との整合性から統合的な日本列島の構造モデルを構築することを目的とした. モデル構築にあたり,反射・屈折法人工地震探査は十分な精度を有しているが,日本列島で探査が行われている地域は限定されており,P波やS波走時トモグラフィーにおいては地震波の伝播経路に地域的な偏りがあるなど,日本列島で同じ精度で構造を求めることは現時点では非常に難しい.従って,日本列島全域にわたる3次元地下構造モデルの構築にはこれらのデータを内挿・補間をして求める必要がある. そのため,現在研究が進められている東北日本および西南日本における強震動シミュレーションに用いられている3次元地下構造モデル(1000mメッシュ)と制御震源構造探査により求められている構造をコンパイルすることによって,0次モデルを構築した.本モデルには,上部/下部地殻境界(Conrad),地殻/マントル境界(Moho),プレート境界深度,媒質の物性値(Vp, Vs,密度,減衰率)が含まれている.標準モデル構築にあたり,パラメータ化のスキームが重要であり,本研究では,緯度,経度をパラメータとしたモデル化を行い,直行座標系への変換ツールを開発することによって実際の波動伝播シミュレーションや走時計算に簡単に適用できるようにする.また,構築した標準構造モデルを広く活用できるようにWebアプリケーションの構築を行っている.
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