2004 Fiscal Year Annual Research Report
火山流体のモニタリングと深部マグマ上昇メカニズムの解明
Project/Area Number |
15204040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 教授 (60242153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 靖明 京都大学, 理学系研究科, 助教授 (40025466)
大倉 敬宏 京都大学, 理学系研究科, 助教授 (40233077)
金嶋 聰 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (80202018)
橋本 武志 北海道大学, 理学系研究科, 助教授 (70283588)
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助手 (40262084)
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Keywords | 阿蘇火山 / 広帯域地震 / 火山性微動 / 長周期微動 / 火山噴火 / マグマの上昇 / GPS / アレイ地震観測 |
Research Abstract |
本研究では,火山の噴火に伴うマグマ・ガス・水などのものの流れを地震学的にとらえることで,阿蘇火山の噴火の準備過程,噴火過程,終息過程における物質の移動を定量化し,噴火のダイナミクスの理解を深めること,さらに阿蘇火山における将来の定量的火山噴火予測への道しるべとすることを目標としている. 本年度は以下のことを行った:(1)中央火口丘周辺のGPS連続観測網を拡充し,国土地理院の3観測点を含む14点で得られたデータの解析を行った.その結果,マグマの移動などに伴う間欠的な地殻変動は検出されていないが,中央火口丘を東西にまたぐ測線で1cm/yearの定常的な収縮の地殻変動が観測された.(2)阿蘇火山活動変化の推移に伴う火山微動発生状況の経年変化を調べる目的で,2004年7月に短周期地震計アレイの観測を行なった.1999年から2003年までのアレイ・データの解析から,2003年7月の小爆発直後には連続型微動の震源深さが浅くなったことを見出した.また,1999年アレイのデータを詳細に解析して,連続型微動が主として二つの離れた震源から発すること,その二つの震源のスペクトルが同じ周波数に最も強いエネルギーピークを持つことを突き止めた(論文投稿中).(3)絶対重力の多点連続観測の準備として2004年7月と2005年3月に予備的絶対重力観測を行った.(4)1998,1999年に行ったアレイ観測のデータを解析し,長周期微動(卓越周期15秒)と孤立型の短周期微動の関連を明らかにし,阿蘇火口直下の熱水系と一連の火山性微動を統一的に説明するモデルを構築した.(5)火口直下に認められる亀裂状構造のダイナミクスを解析するために,境界積分法に基づく新たな手法を導出した.この解析手法は,火山性微動の一般の問題に応用可能であり,今後様々な火山の振動現象を理解するための基本的ツールとなる可能性が高い.
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Research Products
(2 results)