Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入月 俊明 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (60262937)
瀬戸 浩二 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (60252897)
大谷 修司 島根大学, 教育学部, 教授 (50185295)
山口 啓子 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (80322220)
蜷川 清隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80098590)
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Research Abstract |
今年度の計画に基づきγ線測定装置の低エネルギー測定条件の改善と日本各地の閉鎖性海跡湖で柱状採泥を行った。(1)しかし,不撹乱柱状採泥器(昨年度購入)では1940-50年代の試料を得ることができなかったため,備品購入計画を変更し重力式コアラーの開発を行った。島根県神西湖,長崎県大村湾,京都府阿蘇海で実施し,目的とする年代を記録する柱状採泥に成功した。(2)沿岸生態系の感潮性調査のため,中海湖心部で毎月,水中の懸濁物のフラックス調査および大型生物や有孔虫の産出状況の調査を行った。この調査により中海の堆積過程に2年の周期性の存在することが認められた。この周期性は,粘土鉱物などの無機物質の移動が大型生物の生態と密接に関連していことが分かった。(3)湖水中の生態や湖底泥の動態を観察するため,昨年度に引き続き映像装置の改良を行い,メンテナンスフリーの装置として完成することができた(開発技術は特許申請準備中)。(4)高知県浦ノ内湾における過去約50年間の貝形虫(微小甲殻類)の群集変化について,定量的な群集解析を行った。群集組成,群集構造が大幅に変わり,50年前の主要な群集は湾奥でほとんど死滅し,湾中央部に位置する浅い小さな入り江に密集して生息していた。養殖用イカダなどの人工物の影響が考えられる。(5)塩分の沿岸生態系への影響を検討するため,中海の湖心,水深0.5m,2m,3.5m(表層,塩分躍層の上部および中部)に二枚貝類(マガキ・アサリ・ヤマトシジミ・ウネナシトマヤガイ)をケージで垂下し,個体の成長・生残と水質項目を測定した。マガキが最も成長および生残率が高く,貧酸素や塩分変化に対する環境耐性が高かった。(6)中海の主な赤潮原因生物,渦鞭毛藻のシストについて,湖底堆積物より珪藻の出現を抑制するゲルマニウムを添加した培養実験を行ったが出現しなかった。
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