2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15205007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊与田 正彦 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (50115995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 由寛 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00347270)
桑谷 善之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00234625)
吉田 正人 島根大学, 医学部, 助教授 (50137030)
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Keywords | ナノ分子 / 自己会合 / 複合機能 / 大環状ポリアレーン / テトラチアフルバレン / サンドイッチ錯体 / 分子電線 |
Research Abstract |
近年、ナノスケールの共役系に関する研究が急速に発展している。このようなナノ分子は溶液中で自己会合して二量体を形成したり、その分子内の空孔に小さなπ共役分子を取り込んで包接錯体を形成する。また、π電子系を鎖状につなげた系ではナノスケールのらせん構造が出来上がるので、非常に大きな三次元構造を持つ分子となり、非常に大きな旋光度も予想される。このようなナノスケールの分子には、上記の性質の他に磁性-伝導性-光物性という複合機能も発現する。本研究では、まず、π電子系の化学に基づいて合成反応を制御することによって、大環状ポリアレーンおよび大環状ポリアリールアセチレンを合成して、その構造、物性および会合挙動を調べた。その結果、銀イオン、銅イオンおよび小さなアルコール分子を取り込むホストを合成することに成功した。第2点として、テトラチアフルバレンの縮環した大環状アヌレンを合成して、その会合挙動を調べた。その結果、この分子が銀イオンを取り込んで、大きなサンドイッチ錯体を作ることを見いだした。また、この分子は溶液中ではソルバトクロミズムが観測されると共に、その固体にヨウ素をドープすると伝導性を示し、分子電線としての機能を示した。さらに第3点として、ポリテトラチアフルバレニルエチニルベンゼンを合成して、その会合挙動を調べたところ、通常の濃度の溶液中で6-7量体を作って、ナノスケールの巨大分子が構築できることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kuwatani, G.Yamamoto, M.Iyoda: "A twin-rotor system created on the [4]radialene frame"Org.Lett.. 5. 3371-3374 (2003)
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[Publications] T.Enoki, H.Yamazaki, K.Okabe, K.Enomoto, T.Kato, A.Miyazaki.E.Ogura, Y.Kuwatani, M.Iyoda: "Unconventional TTF-Based Molecular Magnets"Synth.Met.. 133-134. 501-503 (2003)
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[Publications] J.Nishijo, E.Ogura, J.Yamaura, A.Miyazaki.T.Enoki, T.Takano, Y.Kuwatani, M.Iyoda: "Ferromagnetic Interaction and Melallic Conductivity of Radical Ion Salts (DIEDO)_2M(mnt)_2(M=Ni,Pt)"Synth.Met.. 133-134. 539-541 (2003)
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[Publications] T.Enoki, H.Yamazaki, J.Nishijo, A.Miyazaki.K.Ugawa, E.Ogura, Y.Kuwatani, M.Iyoda, Y.V.Sushko: "Novel Magnetism of EDO-TTFX_2 Salts (X=Br,I)"Synth.Met.. 137. 1173-1174 (2003)
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[Publications] M.Ohkoshi, T.Horino, M.Yoshida M.Iyoda: "Synthesis and Inclusion Properties of a Novel Macrocyclic Hexaketone Monohydrate with a Hemiacetal Structure"J.Chem.Soc., Chem.Commun.. 2586-2587 (2003)
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[Publications] Y.Kuwatani, J.Igarashi, M.Iyoda: "All-Z-Hexabenzo[24]annulene with a triangular benzene cluster substructure"Tetrahedron Lett.. 45. 359-362 (2004)