2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15205007
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊与田 正彦 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (50115995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑谷 善之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00234625)
三宅 由寛 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00347270)
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Keywords | 超分子化学 / 自己組織化 / 複合機能 / 分子スイッチ / ホスト-ゲスト化学 / 電気伝導性 |
Research Abstract |
近年、ナノスケールの共役系に関する研究が急速に発展している。このようなナノ分子は溶液中で自己会合して二量体を形成したり、その分子内の空孔に小さなπ共役分子を取り込んで包接錯体を形成する。また、π電子系を鎖状につなげた系ではナノスケールのらせん構造が出来上がるので、非常に大きな三次元構造を持つ分子となり、非常に大きな旋光度も予想される。このようなナノスケールの分子には、上記の性質の他に磁性-伝導性-光物性という複合機能も発現する。本研究では、まず、π電子系の化学に基づいて合成反応を制御することによって、大環状ポリアレーンおよび大環状ポリアリールアセチレンを合成して、その構造、物性および会合挙動を調べた。その結果、最大40Åの空孔を持つ巨大環状系の構築に成功した。第2点として、テトラチアフルバレンの縮環した大環状アヌレンを合成して、その会合挙動を調べた。その結果、この分子が銀イオンを取り込んで、大きなサンドイッチ錯体を作ることを見いだした。また、この分子は溶液中でソルバトクロミズムが観測されると共に自己会合して多量体を形成していることも明らかにした。また固体にヨウ素をドープすると伝導性を示し、分子電線としての機能を示した。さらに第3点として、ポリテトラチアフルバレニルエチニルベンゼンを合成して、その会合挙動を調べたところ、通常の濃度の溶液中で6-7量体を作って、ナノスケールの巨大分子が構築できることがわかった。
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Research Products
(6 results)