2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15205008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塩 寛紀 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60176865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 雅之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00359572)
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Keywords | 基底高スピン錯体 / 単分子磁石 / 強相関電子系 / 酸化物クラスター |
Research Abstract |
高い基底スピン多重度と負のゼロ磁場分裂定数をもつ錯体分子は、比較的低い磁場で分子内のスピンが揃う超常磁性を示し、単分子磁石(ナノ磁性分子)と呼ばれ、量子スピントンネル効果、量子スイッチなどメゾスコピック系特有の量子物性を示す。本研究では次の研究を行った。(1)異核金属錯体の合成法の確立:シップ塩基と金属イオンの僅かな策形成定数の違いを利用し,一つの配位環境で異なった金属イオンを含む錯体合成法を確立した。この方法により,[Mn^<III>_2Ln^<III>_2] (Ln=Gd,Tb,Sm), [Mn^<III>_4Ln^<III>_2] (Ln=Gd,Tb,Y), [Mn2Ln4] (Ln=Tm,Lu), [Mn^<III>_2Co^<II>_4]などを合成した.(2)異核金属錯体からなる単一分子磁石の合成:(1)の方法により金属イオンを自己集積化することにより3d異核錯体、多様な核数・構造をもつマンガン及び鉄多核錯体、希土類イオンを含む金属多核錯体を合成した。[Mn^<III>_2Cu^<II>_2] (S=3) [Mn^<III>_2Ni^<II>_2] (S=6), [Mn^<III>_4Tb^<III>_2]は基底スピン多重度をもつ単分子磁石であることを明らかにした。(3)酸化物クラスター分子の合成:ホール注入により様々な物性をしめす.本研究では,5座有機架橋配位子とマンガンおよび銅イオンの反応により、混合原子価錯体[Mn^<III>_8Mn^<IV>_4Cu^<II>_8(O)_<16>(Ac)_4(MeO)_4(L)_4](NO_3)_4(L=2,6-bis[N-(2-hydroxyethyl)iminomethyl]-4-methylphenol)を合成することができた。この錯体は分子中に酸化物イオン架橋子混合原子価Mn(III,IV)12核コアをもつ。更に反応条件を制御することにより異なった酸化物コア構造をもつ錯体を合成できることを見出した.またこの配位子とMnイオンとの反応では,は可逆な4段階の一電子酸化還元挙動を示す混合原子価13核錯体[Mn^<III>_<12>Mn^<IV>]錯体が生じることを見出した.さらにこの錯体の電気化学的酸化により,異なった磁気的挙動を示す1電子および2電子酸化体を単離することが可能である。
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