2006 Fiscal Year Annual Research Report
液中単一無蛍光性分子の化学種選択的カウンティング法の開発
Project/Area Number |
15205011
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
原田 明 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 教授 (90222231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 謙治 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助教授 (70229128)
石岡 壽雄 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助手 (60304838)
|
Keywords | 単一分子検出 / 無蛍光性化学種 / 分離分析 / 光熱変換分光法 / 顕微熱レンズ検出 / 多色増幅効果 / 過渡吸収 / 無輻射緩和 |
Research Abstract |
分析化学における究極の目的の一つに、溶液中にある任意の目的化学種を一つずつ同定して数えることがある。現在、若干の例外を除くと、溶液中単一分子の計数は強い蛍光性を持つ特定の化学種についてのみでしか実現していない。一方、アミノ酸・核酸塩基・芳香族塩素化物・環境ホルモン物質など生命科学・環境科学に深く関与する化学種の多くは、本来蛍光性分子ではない。本研究では、申請者らが提案した多色励起光熱変換計測に基づいて、溶液中無蛍光性化学種の分子カウンティングの実現、紫外光励起・可視光増幅型顕微熱レンズ測定系の開発、水溶液中の無蛍光性化学種を対象とした分子カウンティングに基づく新しい生命科学・環境科学の学問分野の開拓を目的とした。本年度は、紫外レーザー光励起・多色増幅型光熱変換装置の性能評価を中心に検討を進め、成果をまとめた。主要設備として、開発済の多色増幅型顕微光熱変換計測装置とミクロ高速液体クロマトグラフィーシステムを組み合わせて用いた。主な検討項目と成果は次の通りである。 ミクロ高速液体クロマトグラフィーシステムの検出器としての性能を検討して分離検出を実現した。特に、生体関連物質の分離条件で一般的なグラジエント溶出条件下でも光熱変換検出器が利用できることを初めて実証した。紫外励起光源として、モードロックチタンサファイアレーザーの第3および第4高調波の紫外光を発生する光学系を完成して光源性能を検討した。紫外光交差励起での検出限界を検討するとともに多色増幅による感度向上を実証した。これにより、各種の生体関連物質で過渡吸収スペクトルが不明であっても多色信号増幅効果の有無を検討することが可能となった。実験結果を国際学術雑誌報文にまとめて掲載が決定した。また、一連の研究成果を欧文書籍中の1章にまとめたものが刊行された。
|
Research Products
(6 results)