2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15205026
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
出来 成人 神戸大学, 工学部, 教授 (10101065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水畑 穣 神戸大学, 工学部, 助教授 (10283871)
梶並 昭彦 神戸大学, 工学部, 助手 (10169443)
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Keywords | 液相析出法 / 金属酸化物薄膜 / セラミックス高次構造体 / セラミックスナノアレイ / 反転オパール構造 / フォトニクス結晶 / 酸化モリブデン / Dcep-RIE法 |
Research Abstract |
数10〜100nmの構造周期性を有する高次構造制御を施したセラミックスナノ構造体を液相析出法により作製するためのテンプレート材料をシリコンなどの耐腐食性を有する材料にDeep-RIE法を用いてサブミクロンレベルのパターンニングを施した基板を作製し、その基板をテンプレートとして液相析出法により酸化物薄膜を作製した。任意の形状を有する高次構造体の作製が可能となり、その形状を転写することによって、高次構造を有するナノスケールの酸化物構造体の作製が可能となった。またレジストをテンプレートとすることも可能であった。 また、モリブデン酸化物を水溶液系からの析出により製膜を行う液相析出(LPD)法は、蒸着等の製膜法と比較して低エネルギー消費であり、製膜装置が安価である特徴を有している。これまでに我々はLPD法によって作製した様々な金属酸化物薄膜に関する報告を行ってきた。本報告ではLPD法を用いてモリブデンの酸化物膜を作製し、得られた膜について種々の評価を試みた。所定の濃度に調整したH_2MoO_4-HF水溶液とH_3BO_3水溶液を混合したものを析出反応溶液とした。得られた試料として基板上には白色膜が析出した。この試料は六角柱の集合体から成る膜が観察され、六方晶系の酸化モリブデンに帰属されるピークが確認された。得られた膜は未焼成であるにも関わらず非常にシャープなピークを示し高い結晶性が示唆された。断面方向のSEM観察からこの六角柱の析出物が基板上を完全に被覆している様子が観察され、大面積への製膜が可能である事が明らかとなった。析出物の析出過程を観察するために、経時変化におけるSEM観察を行った。反応時間1時間で六角柱状の析出物が観察され、反応時間の増加伴い析出粒子の成長する様子が観察された。ICP測定からも反応時間の増加に伴い、Moの析出量が増加した。これはSEM観察の結果を支持するものであり、反応時間により析出量の制御が可能であることが明らかとなった。広範囲のXPS測定結果からは不純物元素が確認されず、非常に純度の高い三酸化モリブデンが得られた。
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Research Products
(1 results)