2004 Fiscal Year Annual Research Report
テラビット級情報ストレージのナノメータヘッドディスクインタフェースの創製
Project/Area Number |
15206019
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
多川 則男 関西大学, 工学部, 教授 (50298840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 孝久 産業技術総合研究所, 機械システム研究部門, 総括研究員 (60152716)
森 淳暢 関西大学, 工学部, 教授 (80026202)
新井 泰彦 関西大学, 工学部, 教授 (80131415)
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Keywords | ハードディスク / ヘッドディスクインタフェース / ナノトライボロジー / 超薄膜液体潤滑膜 / PFPE潤滑剤 / コンタクトスライダ / ナノテクスチャー |
Research Abstract |
本年度は新規な潤滑剤としてアミン系潤滑剤や主鎖分子構造の異なるPFPE潤滑剤などを対象として、その潤滑剤単体としての自然拡散流動特性を走査型エリプソメータで調べた。そして自然拡散流動特性に及ぼす潤滑剤末端基分子構造および主鎖分子構造の影響を明らかとし、新規潤滑剤の分子設計の設計指針となる知見を得た。また従来潤滑剤であるZdol、実スライダなどを用いて、スライダと潤滑膜との相互作用で大きな問題となるスライダの不安定振動である、タッチダウンテイクオフヒステリシス特性に及ぼす潤滑膜のボンド率の影響について実験的に調べた。そしてボンド率が高くなるほどスライダの不安定振動が顕著となることを明らかとし、次世代のヘッドディスクインタフェースを設計するための新たな潤滑膜設計指針を導いた。また同時にコンタクト記録を実現するためにはスライダの側にも技術的なブレークスルーが必要と考えられる。そこでスライダ面にフェムト秒レーザー加工法を適用し、超微細なナノテクスチャーを形成することを試みた。そして試作されたコンタクトスライダを用いて、実ディスクとのコンタクト実験を行った。その結果、ナノテクスチャーにより、摩擦係数、スライダの振動、スライダディスクの摩耗が大幅に低減できることが確認できた。今後ナノテクスチャーの最適化設計法に関して検討を進める必要がある。 さらに今年度購入した環境制御形AFMを用いて、AFM針と超薄膜液体潤滑膜との相互作用に及ぼす環境(温度、湿度)の影響に関して、その研究を開始した。得られるフォースカーブ特性からスライダ・潤滑膜との相互作用に及ぼす環境の影響に関する基礎的な知見が得られつつある。今後、ダイヤモンドがコートされたAFM針を用いてさらに詳細に調べていく予定である。
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Research Products
(3 results)