2005 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光学効果によるスペクトル選択性コヒーレント熱放射
Project/Area Number |
15206021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
湯上 浩雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60192803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐多 教子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20271984)
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
金森 義明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10333858)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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Keywords | 近接場光学 / フォトニック結晶 / 回折格子 / 熱放射 / 熱光発電 / ナノテクノロジー / SNOM |
Research Abstract |
表面に熱放射光と同程度の周期を有する表面回折格子構造を形成することにより、熱放射スペクトルを制御できることを利用して,熱光起電(TPV)発電システムの発電効率の向上を目指した波長選択性エミッタの研究を行っている。これまでの研究から、微細構造と熱放射スペクトルとの相関を調べた結果、周期構造に起因したマイクロキャビティ構造による波長選択性熱放射が観測されていることがわかった。本研究では、熱放射光を発生している高温物体のごく近傍において発生していると考えられている、前年度までに、近接場熱放射光を光プローブ顕微鏡を製作して、高温物体表面での電磁波(熱放射光)微細構造との関係について知見を得ることを目的として以下の研究を行った。 1.昨年度までに,タングステンなどの幾つかの試料において、表面微細加工プロセスの研究を行い,表面プラズモンの効果が大きく,熱安定性のある材料を見出してきた。本年度は、最適な材料としてWを選択して、周期1〜2ミクロンでアスペクト比が1〜0.1までの微細構造試料を作成できた。 2.昨年度に高温環境対応近接場光学顕微鏡を導入し、装置の改良を行い、800Kの高温環境下で安定に動作させることができた。また、高温での検出に適した金属プローブを開発し、タングステン回折格子の高温での走査型トンネル顕微鏡(STM)像と近接場熱放射の同時計測に成功した。 3.数値シミュレーションの結果と対比させることにより、キャビティの角付近で強い電磁場強度があることが分かった。また、近接場熱放射スペクトルを観測することに成功し、そのスペクトルがプローブ金属により大きく変化することを見出した。 4.これまでの研究成果の取りまとめを行い、2006年9月に開催予定の国際会議で発表することとした。
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Research Products
(3 results)