2003 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ化学ICを基盤とする次世代医療ナノデバイス群の開発
Project/Area Number |
15206027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
生田 幸士 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90212745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 恵治 名古屋大学, 医学研究科, 助教授 (40252233)
加藤 大香士 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90362285)
森島 昭男 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00358186)
長倉 俊明 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (40288577)
丸尾 昭二 横浜国立大学, 大学院・生産工学科, 助教授 (00314047)
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Keywords | マイクロ光造形法 / 2光子高速光造形法 / 光硬化樹脂 / 生体適合性材料 / テーラーメード製薬 / 体内埋込型デバイス |
Research Abstract |
初年度では、生田らが独自に提案開発してきた化学ICチップのマイクロリアクタ内でさまざまな細胞が安定に培養できるバイオ化学ICの基盤技術を構築するため、主として下記の研究を行った。 1.マイクロ光造形法で使用する光硬化樹脂の細胞毒性の調査 エポキシ系、ウレタン系など、マイクロ光造形法に適した光硬化樹脂で細胞培養皿を製作し、その中でPC12など数種類の細胞培養試験を行った。その結果、硬化後の洗浄を十分に行っただけでは、細胞の長期安定培養は困難であることが再確認された。理由としては、硬化の開始剤の溶出や、硬化表面の状態、親水性の制御、樹脂の電気的極性などの因子が考えられる。 2.適合性を満たす表面修飾法の検討 硬化後の樹脂表面に各種コーティングを施し、細胞適合性を改善する手法の開発を行った。SiO_2コーティングなどに代表される化学的手法と、表面構造の形状など物理的手法の両者に関し、その効果を実験的定量的に調査し、最低1週間は安定に培養可能な条件を明確化した。 3.無細胞蛋白合成チップの機能拡張 昨年までは、蛍の発光酵素ルシファラーゼを無細胞的に合成する化学ICチップ群の開発と検証実験に成功しているが、本年度は、より汎用性の高いGFPなどマーカ蛋白の無細胞合成に成功した。さらに外部ポンプ方式ではなく、ポンプチップを内蔵したマイクロ合成系を完成し、化学ICチップ群だけで無細胞蛋白合成系が構築できることを実証した。 4.光駆動マイクロマシンの高度化 マイクロ・ナノ光造形された透明マイクロ可動機構を、レーザ光で外部からトラップして遠隔駆動する手法を開発してきた。本年度は、バイオ化学ICチップの流路内に回転する攪拌機構を造形し、光駆動方式のマイクロミキシングを実証した。今後は、さらに各種応用に発展予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 生田幸士: "マイクロ・ナノ光造形法を用いた光駆動マイクロマシンと化学ICチップ"高分子. 52・7. 466-471 (2003)
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[Publications] Shoji Maruo, Koji Ikuta, Hayato Korogi: "Force-Controllable, Optically Driven Micromachines Fabricated by Single-Step Two-Photon Microstereolithography"Journal of Microelectromechanical Systems. 12・5. 533-539 (2003)
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[Publications] Tadahiro Hasegawa, Koji Ikuta, Kenichiro Nakashima: "10-Way Micro Switching Valve Chip for Multi-Directional Flow Control"Proc.of the 7th International Conference on Miniaturized Chemical and Biochemical Analysis Systems. 215-218 (2003)
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[Publications] Koji Ikuta, Atsushi Takahashi, Kota Ikeda, Shoji Maruo: "Fully Integrated Micro Biochemical Laboratory Using Biochemical IC Chips -Cell-free protein systhesis by using a built-in micropump chip-"Proc.of the 16th Annual International Conference on Micro Electro Mechanical Systems. 451-454 (2003)
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[Publications] Koji Ikuta, Yasuhiro Sasaki, Hiroyuki Maegawa, Shoji Maruo: "Biochemical IC Chip for Pretreatment in Biochemical Experiments -Micro ultrasonic homogenizer chip made by hybrid microstereolithography-"Proc.of the 16th Annual International Conference on Micro Electro Mechanical Systems. 343-346 (2003)
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[Publications] 生田幸士, 山田 章, 新倉史智: "生分解性樹脂用3次元マイクロファブリケーションの開発"生体医工学. 41・2. 458-466 (2003)
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[Publications] 山田 章, 新倉史智, 生田幸士: "3次元微細加工で作製された生分解マイクロ構造の機械特性評価"日本コンピュータ外科学会誌. 5・4(印刷中). (2004)
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[Publications] Toshiaki Nagakura, Shoji Maruo, Koji Ikuta: "The Study of Micro Blood Sugar Control Device Without Energy Supply for Diabetes Therapy"Digest of Technical Papers of The 12th International Conference on Solid State Sensors, Actuators and Microsystems. Vol.2. 1209-1212 (2003)
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[Publications] T.Nagakura, T.Uchino, C.Shibazaki, S.Maruo, K.Ikuta: "The Study of Smart Microliter Osmotic Valve for Diabetes Therapy"Proc.of European Conference on Solid-State Transducers (Eurosensors XVII.). 1061-1062 (2003)
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[Publications] 生田幸士(分担執筆): "ナノテクノロジー大事典"株式会社 工業調査会. 989 (2003)