2003 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光学法による窒化物半導体ナノ構造の発光機構解明
Project/Area Number |
15206033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 養一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30214604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 貴人 日本分光株式会社, 開発部SPM開発課, 課長
藤田 茂夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026231)
船戸 充 京都大学, 工学研究科, 講師 (70240827)
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Keywords | 近接場分光 / フォトルミネッセンス / 発光ダイナミクス / マルチプローブ技術 / 先進フォトセンシング / 窒化物半導体 / 量子ナノ構造 / 超高発光効率 |
Research Abstract |
(1)時間分解フォトルミネッセンス(TRPL)測定系と近接場光学顕微鏡(SNOM)を融合させることにより時間-空間分解発光ダイナミクス測定装置を構築し,青色発光InGaN系量子構造の評価を行った。その結果,光励起によって生成したキャリア・励起子が局所的なポテンシャルの極小領域へ局在して発光再結合しているダイナミクスと非輻射再結合中心へ捕獲されて非発光しているダイナミクスをマッピングすることに初めて成功した。 (2)青色,緑色発光InGaN量子井戸構造において発光のブリンキング(明滅)現象を観察した。この現象は,局在したキャリアとその近傍に存在する非発光中心に捕獲されたキャリアとの相互作用の有無によって発光遷移確率が秒〜サブ秒の時間スケールでスイッチングすることに起因しており,その際に空間電荷によって発光波長も変調を受けることを明らかにした。 (3)われわれが提唱している技術開発を推進する上で必要不可欠な光照射用と光検出用の微少ファイバーが同一ヘッド上に並んだタイプのマルチファイバチップを設計し,フォトリソグラフィー技術により試作した。現状で開口径:200nm,開口間距離:7μm,ファイバー開口数:7本を実現,実際にマルチモードで伝搬・導波していることを実証した。 (4)近接場プローブを用いた時間分解測定では,微小領域からのフォトンを高速かつ高感度に測定することが必須である。そのために,ファイバーコアにおける光の分散特性がパルス伝達に及ぼす効果やマルチプローブ間におけるクロストーク等を現有のストリークカメラや光オシロスコープを用いて解析評価し,マルチプローブヘッドの開発のための基礎データとした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西塚幸司, 佐々木昭夫, 金田昭男, 川上養一, 藤田茂夫 他: "InGaN単一量子井戸における双ピーク発光の成長温度依存性"電子情報通信学会誌. J86-C・9. 988-996 (2003)
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[Publications] A.Kaneta, T.Mutoh, Y.Narukawa, T.Mukai, Y.Kawakami, Sg.Fujita他: "Discrimination of local radiative and nonradiative reombination processes in an InGaN/GaN single-quantum-well structure by a time-resolved multimode scanning near-field optical microscopy"Appl.Phys.Lett.. 83. 3462-3464 (2003)
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[Publications] Y.Kawakami, A.Kaneta, K.Okamoto, T.Mukai, Sg.Fujita 他: "Recombination dynamics in low-dimensional nitride semiconductors"phys.stat.sol.(b). 240・2. 337-343 (2003)
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[Publications] K.Okamoto, Y.Kawakami, Sg.Fujita, A.Scherer: "Sub-microscopic transient lens spectroscopy of InGaN/GaN quantum wells"phys.stat.sol.(b). 240・2. 368-371 (2003)
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[Publications] A.Shikanai, Y.Kawakami, Y.Narukawa, T.Mukai, Sg.Fujita他: "The hot carrier dynamics in InGaN multi-quantum well structure"phys.stat.sol.(b). 240・2. 392-395 (2003)
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[Publications] K.Okamoto, J.Choi, Y.Kawakami, M.Terazima, T.Mukai, Sg.Fujita: "Submicron-scale photoluminescence of InGaN/GaN probed by confocal scanning laser microscopy"Jpn.J.Appl.Phys.. 43(in press). (2004)