2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化シリコン系量子ドットにおけるスーパーアトム構造の創成と電子状態制御
Project/Area Number |
15206035
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮崎 誠一 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (70190759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 清一郎 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (30363047)
村上 秀樹 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (70314739)
香野 淳 福岡大学, 理学部, 助教授 (30284160)
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Keywords | 量子ドット |
Research Abstract |
これまで、pure SiH_4のLPCVDにより、熱酸化膜上に白己組織化形成したSi量子ドットにおいて、電子注入・放出による表面電位変化をAFM/ケルビンプローブによって検知でき、PをデルタドーピングしたSiドットにおいて、低電圧印加時の電子放出から、Pドナーに起因した正帯電を観測できることを報告した。本年度は、BをデルタドープしたSi量子ドットおよびGeを芯に有するSi量子ドットを形成し、Si量子ドット内のエネルギーバンド変調が量子ドットへの電子注入・放出特性に及ぼす影響を表面電位変化測定により確認した。 Si熱酸化膜上にsiH_4ガスの減圧CVD法により、半球状のsi量子ドット(1x10^8cm^<-2>)を自己組織化形成した。ドットへのBドーピングはCVD中にHe希釈1%B_2H_6をパルス的に導入した。また、Geを芯に有するSi量子ドットは、Si量子ドット形成後、GeH_4ガスの減圧CVD法によりSi量子ドット上にGeを選択成長させ、その後、再度SiH_4の減圧CVDを行うことでGe上にSiキャップを形成した。バンド変調した量子ドットへの電子注入・放出は、電圧印加したRhコートSi_3N_4探針を用いタッピング(コンタクト)モードでの表面走査でおこなった。電荷注入前後において、ノンコンタクトのケルビンプローブモードで表面形状像を表面電位像の同時測定することでバンド変調効果を評価した。BドープSi量子ドットにおいては、バイアス印加前には一様な電位像が観測されたが、0.5V電圧印加後では、ドットの表面電位が、SiO_2部分の電位に比べ、約70mV上昇していることがわかった。低電圧印加による正帯電は、B-アクセプタからの電子放出として理解することができる。GeコアSi量子ドットにおいては、Tipバイアス+0.5〜+1.2V印加では、顕著な変化は認められないが、1,2V以上の正電圧印加に対しては、階段的な表面電位の増大が確認できた。これは、GeとSiのバンド不連続を反映してGeコアからの価電子放出に起因する正孔保持と解釈できる。ドット内に正孔が保持されることにより生じる表面電位変化量を等価回路を用いて見積もった結果、Tipバイアス4V印加時において3個の正孔が安定に保持できていると解釈できる。
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Research Products
(17 results)