2006 Fiscal Year Annual Research Report
操作性を重視した冷凍機方式生体磁気計測システムの開発
Project/Area Number |
15206048
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
笹田 一郎 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 教授 (20117120)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
円福 敬二 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (20150493)
田代 晋久 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助手 (50325487)
|
Keywords | 磁気シールド / 生体磁気計測 / パルス管冷凍機 / SQUID / 磁性蓄冷材 / Conducted EMI |
Research Abstract |
1.PT管冷凍機の磁気雑音の要因分析 2段PT管冷凍機の磁気雑音(Heガスの圧入/排気の周波数1.8Hz成分を中心に)を冷凍機第2ステージの温度80K〜5.9Kにおいて,室温で動作する高分解能フラックスゲート(FG)を用いて詳細な検討を行った.FGはPT管冷凍機の真空デュワー内に設置し,さらにこれらをCFRP一体型で製作した縦置き円筒シールド内に設置した.磁気雑音には次の2種類があることを突きとめた.1)温度に逆比例する成分で20Kより低温側で顕著になり低温側で0.7nTに達する.2)は温度に関係なく存在する成分.1)は磁性蓄冷材の周期的温度変動による常磁性相での磁化率変動に起因する成分であることを磁性蓄冷材の熱磁気特性測定によりつきとめた.2)は弱く着磁したPT管構造部材の機械振動に起因するものと考えている. 2.PT管冷凍機駆動インバータからの伝導性EMIの抑制法の確立 自作した電流トランスによって3相パワーラインと接地線を流れる高周波電流およびバルブモータから冷凍機本体へ至る3本のフレキシブルホースとコンプレッサからバルブモータに至る2本のフレキシブルホースを伝導する高周波電流を定量評価した結果,3相非平衡による高周波中性線電流が原因であることをつきとめ,RFシールドジャケットを3相パワーラインに施すことで1/10以下に抑制法できることが判明した. 3.PT管冷凍機による平面形1次微分SQUIDの安定駆動に成功 SQUIDを銅のセンサホルダーに取り付け4Kまで冷却し安定に動作することを確認した.これにより測定した1.8Hzとその高調波の磁気雑音が0.5nT程度観測された.磁気雑音発生源がほぼダイポール源的であることの証しであるが,生体磁気計測には少なくともこれを1/10に抑制し,SQUIDを数個以上使用し全てに共通の1.8Hzとその高調波を除去する相関アルゴリズムの導入で1pTの分解能が得られるものと思われる. 4.ループ電流アレイを用いるアクティブ磁気シールドの試作・実証 直径0.4mの電流ループを持ち自立分散的にフィードバック制御される3x3の9つの系からなる1.6m4方の大きさのアクティブ磁気シールドを製作した.各フィードバックループはPID制御されそのゲインはPICコントローラによって設定されるデジタル抵抗で決定される.各電流ループに配置された9個のFGセンサと,シールド領域に配置された1つのFGの外乱磁界モニタ信号を用いてパソコンで各ループの制御回路のゲインは計算され,PICマイクロコントローラに転送される自動的な仕組みを構築した.これによってダイポール源からの磁気雑音は1/20以下に低減できた.高性能磁気シールド実現のためのモジュールとして活用できる目処を得た.
|
Research Products
(8 results)