無害化処理した一般廃棄物焼却灰と低品質発生土による高機能地盤材の開発・利用

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15206056
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: Nagasaki University
• Principal Investigator: 棚橋 由彦 長崎大学, 工学部, 教授 (80039685)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山中 稔 香川大学, 工学部, 助手 (50264205) ; 石橋 康弘 長崎大学, 環境保全センター, 助手 (00212928) ; 蒋 宇静 長崎大学, 工学部, 助教授 (50253498)
• Keywords: 都市ゴミ焼却灰 / 無害化処理 / 力学的特性 / 化学的特性 / 強度試験 / 消石灰 / 建設素材 / 再資源化

Research Abstract

近年の経済成長に伴い、各種生活・産業廃棄物の生産が増大しているにもかかわらず、埋立計画の減少や環境保全の観点から処分地の確保が年々益々困難になってきている。自治体から排出される一般廃棄物焼却灰は、最終処分場の残余容量問題や埋立地からのダイオキシン類・重金属類の溶出による環境汚染問題が指摘されている。厚生労働省は焼却灰の処理方式として溶融方式を推進し一部実用化されているが、設備費用及び連転費用が高く、劣悪なメンテナンス等の問題があり、普及拡大には至っていない。よって、それらの対策が急務とされている。
本研究は無害化処理を施した一般廃棄物焼却灰の軽量性、自硬性(水の存在下で硬化する性質)に着目し、道路の表層改良材としての有効利用技術の開発を目的としている。現地の有明粘土と軽量な一般廃棄物焼却灰を主材として、消石灰を添加して、軽量な表層地盤改良材を開発し、一般廃棄物焼却灰の再資源化を図る。
今年度はまず、長崎県内と佐賀県内のゴミ処理場より都市ゴミ焼却灰を採取し、焼却灰リサイクルシステムにより無害化処理を行なった。また、都市ゴミ焼却灰の物理特性、水理特性および力学特性を具備している装置を使用して求めることにより、無害化処理を施した都市ゴミ焼却灰の建設素材としての再利用の適性評価を行なった。一般廃棄物焼却灰と有海粘土との混合供試体を混合・作成して、静的圧縮試験を実施し強度定数を得ることができた。また、試験後の供試体を使用し、有害物質の含有量などの環境評価試験を行なった。

Research Products

• [Publications] 棚橋由彦: "無害化処理した都市ごみ焼却灰と低品質発生土を用いた多機能地盤材料の開発"長崎大学工学部研究報告. 第34巻第62号. (2003)
• [Publications] 棚橋由彦: "無害化処理した都市ごみ焼却灰と低品質発生土を用いた多機能地盤材料の開発"土木学会第58回年次学術講演会講演概要集. 273-274 (2003)
• [Publications] 棚橋由彦: "建設発生土と廃棄EPSの積層・混合軽量裏込め材としての再資源化に関する研究"第38回地盤工学研究発表会講演概要集. 637-638 (2003)
• [Publications] 棚橋由彦: "無害化処理した都市ごみ焼却灰を用いた多機能地盤材の力学・化学的特性評価"平成15年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. A-346-A-347 (2004)
• [Publications] 棚橋由彦: "発生土と無害化処理した都市ごみ焼却灰を用いた地盤材料の特性評価"第38回地盤工学研究発表会講演概要集. (2004)