2005 Fiscal Year Annual Research Report
建物・街区・都市・地域の各規模にまたがる熱環境解析とアジアの巨大都市への適用
Project/Area Number |
15206060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞広 幸雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10240722)
泉 岳樹 首都大学, 東京・都市環境学部, 助手 (10336513)
一ノ瀬 俊明 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (30231145)
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Keywords | 熱環境 / ヒートアイランド / シミュレーション / RAMS / リモートセンシング / 清流復活 / 重慶 / 気象モデル |
Research Abstract |
都市キャノピーの影響を考慮できるように改良した気象モデル(RAMS-UC)を用い、重慶市(中国)を対象に各種ヒートアイランド緩和策の効果を評価した。都市のアルベドを高める策、保水性舗装を行う策、緑地を増やす策、クーリングタワーによる廃熱を潜熱の形で排出する策、人工排熱を削減する策及び建築物の壁面にウォーターフィルムを導入することによる"打ち水"策等6種類の緩和策の効果を並列計算機を使って定量的に評価した。重慶市の土地利用データについては、研究協力者である重慶大学から提供を受けた重慶市都市計画プラン図とLandsat-7衛星画像とを重ね合わせ、都市域(都市化可能区域を含む)を住宅、商業・オフィス、工業及び都市緑地の4クラスに分類した数値土地利用データを作成し、数値シミュレーションの境界条件とした。 重慶市内の地覆や景観の異なる複数の地点において、典型的な暑熱問題日における体感温熱指標を評価するための手法開発として、超音波風速計と放射収支計を組み込んだ可動式観測ステーションの開発を行い、韓国・ソウル市の清渓川復元区間に適用した後、重慶市の解析対象地点に適用した。超音波風速計による風の移動観測により、河道(東西方向)に直交する街路には南北両方へ吹き出す事例(河道復元による微気候の改善効果)も確認されている。 重慶市においてワークショップを試験的に実施した。その際地元の建設業界などから50名近い参加者が集まり、わが国での先行事例に忠実なスタイルで、以下の議論が行われた。重慶は平坦な土地が少なく、傾斜の急な斜面に道路網を展開しなくてはならないため、傾斜方向に直交する(等高線に平行な)道路の割合が大きく、結果的に斜面における緑地面積の割合が小さくなっている。その一方で水辺空間を適切にデザインすることにより、冷涼な気流を活用した良好な居住地域を整備できる可能性も指摘された。
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Research Products
(6 results)