2006 Fiscal Year Annual Research Report
建物・街区・都市・地域の各規模にまたがる熱環境解析とアジアの巨大都市への適用
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15206060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞広 幸雄 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (10240722)
泉 岳樹 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (10336513)
一ノ瀬 俊明 独立行政法人国立環境研究所, 社会環境システム研究領域, 主任研究員 (30231145)
荒巻 俊也 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (90282673)
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Keywords | 熱環境 / ヒートアイランド / 地理情報 / 体感温熱指標 / リモートセンシング / 成長管理 / 重慶 / 気象モデル |
Research Abstract |
最終年度である本年度は、最後に重慶大学において共同のシンポジウムを開催し得られた成果を報告した。 2020年の計画で想定されている重慶市の土地利用に基づいて、大胆な都市の成長管理を行った場合と比較して、前項で述べた都市のヒートアイランド対策を組み合わせて導入した場合の緩和効果を検討した。緩和策の組み合わせによるヒートアイランドの改善は夜間において成長管理効果と概ね同程度であるのに対して、昼間においては成長管理よりもはるかに大きい効果が得られることが分かった。 重慶およびソウルにおいて2003年度以降の8月の典型的暑熱問題日に取得された暑熱環境指標関連のデータを解析し、当該都市内の景観の異なる複数地点における体感温熱指標を計算し、その空間的時間的特徴について、周辺都市構造からの説明を行い、都市計画への具体的提言を行った。また、都市計画GISへのアクセスが不可能な重慶において、魚眼レンズを用いた天空写真およびRayMan Modelを用いて、観測で求められた体感気候指標の数値計算による検証を行い、計算値との良好な一致をみた。 台北における中層住宅の建物周辺熱環境改善のためのさまざまな対策をシミュレーションにより比較した。 広域の地表面温度の分布の観測に有効だと考えられている衛星からの熱赤外画像について、空間分布を考慮した大気補正を行うことにより、地表面温度の推定精度が向上することを明らかにした。大気補正には、空間分解能約20kmの領域客観解析データと放射伝達モデルのMODTRANを使用し、Landsat-5のTMセンサとLandsat-7のETM+センサの熱赤外画像から関東地方を対象に地表面温度の推定を行った。大気補正量には、水蒸気量の影響が大きく、関東地方では、冬季に比べ夏季に影響が大きいことが明らかとなった。この知見は、臨海部に多く立地するアジアの大都市を対象とした地表面温度の推定精度の向上に寄与するものと考えられる。
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Research Products
(22 results)