2005 Fiscal Year Annual Research Report
スピンエレクトロニクスのためのハーフメタル磁気抵抗材料及びその複合材料化
Project/Area Number |
15206071
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
KARPPINEN Maarit 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50334529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 良夫 独立行政法人, 物質・材料研究機構・物質研究所, 主席研究員 (80354398)
本橋 輝樹 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (00323840)
山内 尚雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (50271581)
|
Keywords | ハーフメタル / スピンエレクトロニクス / ダブルペロブスカイト酸化物 / トンネル型磁気抵抗 / 混合原子価状態 / メスバウアー分光 / ゾルゲル法 / 複合材料化 |
Research Abstract |
本研究では、高性能トンネル型磁気抵抗(TMR)材料の創製を目指し、ダブルペロブスカイト酸化物における結晶粒内(intrinsic)及び粒間(extrinsic)の特性制御を行った。本年度の主な研究成果を以下に列挙する。 ・ハーフメタル酸化物材料Sr_2FeMoO_6におけるFe/Mo占有秩序度の影響を調べるため、ゾルゲル法と酸素ゲッター同時封管法を用いて様々な占有秩序度S=0.56~0.95を持つ試料を作製した。Sの違いに応じて平衡反応Fe^<III>+Mo^V=Fe^<II>+Mo^<VI>に従いFe,Moの原子価状態が変化することが結晶構造解析より明らかになり、Fe/Mo占有状態に関する空間不均一性(高秩序度領域と部分秩序度領域への分離状態)が起きることが示唆された。このような不均一性はTMR特性に多大な影響を与えると考えられる。 ・新規ハーフメタル材料のテーラリング指針を得るため、ダブルペロブスカイトA_2B'B''O_<6-w>に関する過去の文献データを収集し、それらを多変量統計分析することにより物性と結晶構造因子との相関を調べた。その結果、物質の磁気特性は遷移金属イオンB',B''に関する因子に最も強く依存するが、Aイオン(アルカリ土類元素や希土類元素)に関する因子も影響を及ぼすことが分かり、Aサイト元素への置換効果の重要性を確認した。 ・新規ハーフメタル材料の探索過程で、層状コバルト酸化物の一種であるYBaCo_4O_<7+δ>が特異な酸素吸収・放出特性を示すことを発見した。この物質は200〜400℃の低温で多量の酸素を可逆に吸収・放出することができ、酸素イオン選択膜や酸素貯蔵材料への応用が期待される。
|
Research Products
(9 results)