2004 Fiscal Year Annual Research Report
高精度溶接構造物製作のための計算科学的予測技術の確立
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15206080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60166270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹澤 久 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (20294134)
津村 卓也 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (00283812)
田中 学 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (20243272)
大沢 直樹 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (90252585)
柴原 正和 金澤工業大学, 工学部, 講師 (20350754)
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Keywords | 溶接変形 / 固有変形 / 有限要素法 / 界面要素 / 溶接順序 / 熱弾塑性解析 / 非線形性 |
Research Abstract |
溶接構造物の組立工程の多くの部分は熱加工であり、現象的に見ると熱加工は、非定常、非線形問題である。本研究では、計算科学に基づく種々のシミュレーション手法を道具として採用し、非線形で物理的には見えない部分を、数値的に可視化することにより、現象の理解を目指す。平成16年度においては、主に以下の研究を実施した。 1.造船や橋梁などの板骨構造物の組立工程では、部材の加工精度や溶接順序などの影響により、溶接前において部材間にギャップや目違いが生じることが知られており、高精度な構造物製作のためには、これらの影響を考慮した溶接変形の予測が不可欠である。一方、大型の溶接構造物の溶接変形推定には、計算時間や計算能力の制限から、固有変形を用いた有限要素法による弾性解析が行われているが、これまでの解析方法ではギャップや目違いの影響を考慮することは不可能であった。そこで新たに、接合ポテンシャルの概念に基づいた界面要素を開発し、従来の有限要素法と組み合わせた解析法を構築した。この解析法を用いて、曲面薄板構造物を対象に、部材間に生じるギャップや目違いの影響について解析を行い、変形を低減する方法ならびに溶接による座屈を抑制する手法を明らかにした。 2.溶接などの熱加工による変形ならびに残留応力を精度良く推定する手法として、三次元熱弾塑性有限要素法は非常に有用な方法である。しかし解析時間や解析モデルの大きさの制限などから、試験片サイズを対象にした解析が中心であり、実構造物全体を対象にした解析はほとんど行われていない。そこで、溶接問題特有の強非線形性に注目し、効率良く非線形領域と線形領域を区分けした新たな解析法を開発し、解析時間で従来法の約20倍の高速化を実現した。
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Research Products
(6 results)